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ビルメンの年収は低い?平均452万円の実情と、転職で上がる人・下がる人【内定データ】

ビルメン(ビル設備管理)の年収は、厚生労働省のjob tagで平均452.3万円・平均年齢47.3歳です。民間の平均給与(487万円)より低めで、「ビルメンは年収が低い」と言われるのはこのためです。

ただし、年収は「ビルメンという職種」より、系列系か独立系か、選任される資格(電験三種・ビル管理士)を持っているか、宿直があるかで大きく変わります。当社の内定データ(39名)では、現年収400万円未満の方は13名中12名が転職で年収アップした一方、600万円を超えていた方は全員が横ばい〜ダウンでした。

この記事では、ビルメンの年収が上がりにくい理由、年収を決める条件、資格でどこまで上がるか、そして転職で上がる人・下がる人を、公的統計と当社の内定データ・面談で伺った声から解説します。ここでいうビルメンは、ビルの電気・空調・給排水などの設備を点検・運転する「設備管理」の仕事を指し、清掃・警備の仕事は扱いません。

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ビルメンの年収は低い?平均452.3万円の実情

ビル施設管理(ビルメン)の平均年収は452.3万円で、国税庁が公表した民間の平均給与487万円を35万円ほど下回ります。同じ設備・建設系でも、電気技術者(703.9万円)や建築施工管理技術者(679.1万円)とは200万円以上の差があり、「低い」という評判は統計の上でも裏づけられます。

職業 平均年収 平均年齢
ビル施設管理(ビルメン) 452.3万円 47.3歳
電気技術者 703.9万円 —
建築施工管理技術者 679.1万円 43.4歳
(参考)民間の平均給与 487万円 —

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」。職業区分ごとの平均値で、資格・地域・会社による差は含みません

ハローワークの求人で見ると、ビル施設管理の求人賃金は月額25万円、有効求人倍率は1.03倍です(job tag・令和7年度)。人手が極端に足りない職種ではないため、「求人が多いから給料が上がる」という動きは起きにくく、年収を上げるには会社と資格の選び方が効いてきます。

なお、この平均は年齢・資格・会社をまとめた数字です。平均年齢が47.3歳と高めなので、20〜30代の方は「平均452万円」をそのまま自分の水準と考えず、次の章以降の条件で見比べてください。

ビルメンの年収が上がりにくい3つの理由

ビルメンの年収が上がりにくいのは、①基本給より手当の積み上げで上がる給与体系、②ビルのオーナーから業務を受託する立場で単価が上がりにくいこと、③宿直・交替勤務の手当に年収が頼りがちなこと、の3つが重なるためです。どれも職種そのものより「会社の仕組み」の問題なので、職場を変えると改善できる余地があります。

① 基本給より手当の積み上げで上がる

ビルメンの給与は、基本給の昇給より、資格手当・宿直手当・役職手当の積み上げで上がっていく会社が多くあります。4点セットを取り終えると、次に年収が動くのは電験三種やビル管理士を取ったときか、責任者になったときで、それまでの数年は横ばいになりがちです。

② 受託・下請けの立場で単価が上がりにくい

ビルメン会社は、ビルのオーナーや管理会社から設備管理の業務を受託して入ります。さらに大手から仕事を受けた会社の社員として常駐することもあり、契約の単価が上がらなければ給料も上がりません。デベロッパーやゼネコン、メーカーのグループ会社(系列系)と、そうでない独立系とで待遇に差が出るのは、この立場の違いが大きな理由です。

③ 宿直・交替勤務の手当に頼りがち

病院・ホテル・データセンターなど24時間動く物件では、宿直手当や夜勤手当が年収の一部になります。日勤のみの職場に移ると年収が下がることがあり、「年収を取るか、生活リズムを取るか」で迷う方が少なくありません。

当社の面談でも、ビルメンとして働く方から次のような声を伺っています(個人が特定されないよう要約しています)。

状況 面談で伺った内容
ビル設備管理に従事(2026年9月) 業務量と年収が見合わず、休日も少ない。年収500万円を最低ラインに、宿直は月5日程度までなら受け入れたい
建物の設備管理に従事(2026年10月) 有給が取りにくく、賞与がなく、将来が不安。今の年収(360万円)以上で安定した会社に移りたい
年収約610万円の方(2026年10月) ビルメン系の求人も検討したが、今の年収を保つのは難しいとご本人も見ている

出典:建設ワークスの面談記録(2026年9〜10月)

ビルメンの年収を決める5つの条件

同じビルメンでも、年収は「系列系か独立系か」「選任される資格があるか」「物件の規模」「宿直の有無」「役職」の5つでほぼ決まります。応募前にこの5点を求人票と面接で確かめれば、入社後に「思ったより上がらない」というずれを小さくできます。

条件 年収が上がりやすい側 確認のしかた
会社の立場 親会社のビルを管理する系列系、元請けとして受託する会社 親会社・主な管理物件、元請けか下請けか
選任される資格 電験三種(電気主任技術者)、ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)を持ち、物件の責任者として選任される どの資格に手当がいくら付くか、選任者のポジションがあるか
物件の規模・種類 大規模ビル・データセンターなど、設備が大きく責任者を置く物件 担当物件の種類と延べ面積、常駐人数
宿直・交替勤務 宿直・夜勤ありのほうが手当分は高い(生活リズムとの引き換え) 宿直の月回数と1回の手当、日勤のみの場合の年収
役職 所長・統括など複数物件や人員を見る立場、設備管理マネジメント職 何年目でどの役職に就いている人が多いか

ビル管理士は、建築物衛生法で延べ面積3,000㎡以上の店舗・事務所など(学校は8,000㎡以上)の「特定建築物」ごとに選任が義務づけられている資格です。資格者がいなければ物件を管理できないため、手当や役職で評価されやすくなります。

働き方そのもの(宿直のつらさ、物件ごとの差)は、ビルメンテナンスはきつい?「楽」「底辺」と言われる理由と、きつい職場の見分け方で詳しく解説しています。

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求人票では分かりにくい系列系・独立系の違い、資格手当の額、宿直の回数を企業に確認したうえで、設備管理・電気保安の求人をご紹介しています。

資格でビルメンの年収はどこまで上がる?

ビルメン4点セット(第二種電気工事士・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者・危険物取扱者乙種第4類)は入社の条件や手当の対象にはなりますが、それだけで年収が大きく動くことはあまりありません。年収に効きやすいのは、電験三種やビル管理士のように物件で「選任」される資格と、それを評価する会社に所属していることの組み合わせです。

資格 年収への効き方 合格率
第二種電気工事士 入口の資格。手当は小さめのことが多い 学科55.4%(令和7年度下期)
二級ボイラー技士 入口の資格。ボイラーのある物件で評価 52.9%(令和7年度)
第三種冷凍機械責任者 冷凍設備のある物件で評価 44.3%(令和6年度)
危険物取扱者 乙種第4類 入口の資格 33.8%(令和8年度4〜6月)
ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者) 特定建築物で選任が必要。責任者・手当で評価されやすい 30.6%(令和7年度)
第三種電気主任技術者(電験三種) 受変電設備のある物件で選任。電気保安への道も開ける 13.0%(令和7年度)

出典:安全衛生技術試験協会、電気技術者試験センター、高圧ガス保安協会、消防試験研究センター、日本建築衛生管理教育センターの公表値。集計期間が資格ごとに異なるため、目安として比較してください。資格手当の金額は会社ごとに異なり、公的な統計はありません

注意したいのは、資格を持っていても転職先の給与体系によっては年収が下がる点です。当社の事例でも、電験三種を持つ30代後半の方がビル管理・施設管理の会社へ移って、年収が500万円から482万円に下がった例があります(次の章)。資格の価値は「どの会社の、どの立場で評価されるか」で決まります。

電験三種の手当相場と求人の探し方は電験三種の年収・手当相場、ボイラー技士の級ごとの違いはボイラー技士の難易度で解説しています。

転職でビルメンの年収が上がる人・下がる人【内定データ】

当社の内定データでは、転職前の年収が400万円未満の方は13名中12名が年収アップした一方、600万円を超えていた10名は全員が横ばい〜ダウンでした。ビルメン・設備系の事例でも、年収300万円台以下から動いた20〜30代は上がり、電験三種や1級施工管理技士を持つ方がビル管理の会社へ移ったケースは横ばい〜ダウンでした。

まず、職種を問わない内定者39名の結果です。

転職前の年収 アップした人 増減の中央値
400万円未満 13名中12名(+8〜+128万円) +83万円
400〜599万円 13名中8名 +5万円
600万円以上 13名中2名 −40万円

出典:建設ワークス 内定データ(39名・2026年10月集計)。内定通知書・労働条件通知書の記載額と、面談で伺った前職の年収を比較。年代別の結果は建設・設備業界の転職で年収はどう変わる?内定39名のデータにまとめています

次に、ビルメン・設備管理に関係する内定事例です。上がった例だけでなく、下がった例もそのまま載せています。

年代・前職・資格 転職先の領域 年収の変化
30代・営業→ビルメンの経験 電気工事の施工管理 500万円→600万円以上(+100万円以上・賞与別)
20代前半・空調サービス・設備保全(資格なし) 設備系の技術職 300万円→383万円(+83万円)
30代・設備保全(ブランク10年)・二級ボイラー技士 設備系の会社 250万円→300万円(+50万円)
30代後半・第三種電気主任技術者 ビル管理・施設管理の会社 500万円→482万円(−18万円)
50代・1級管工事施工管理技士 ビル管理の会社 700万円→700万円(±0)
40代・空調メンテナンス 非公開 650万円→550万円(−100万円)

出典:建設ワークス 内定データ(2026年10月集計・内定通知書・労働条件通知書の記載額)。個人・企業が特定されないよう、年代・前職・資格の粒度で記載しています

読み取れるのは2つです。1つは、ビルメンから年収を大きく上げた方は、ビルメンのまま会社を変えたのではなく、施工管理や設備系の技術職へ職種を変えていたこと。もう1つは、すでに年収500万円以上ある有資格者がビル管理の会社へ移ると、年収は保てても上がりにくいことです。年収を上げたいのか、年収を保って宿直や休日を良くしたいのかで、選ぶ転職先が変わります。

ビルメンから年収500万・600万円を目指すルート

ビルメンの経験と資格を活かして年収を上げるルートは、①系列系・大規模物件の設備管理で責任者を目指す、②電験三種で電気保安へ進む、③設備保全・フィールドエンジニア・エレベーター保守など設備系の技術職へ移る、④設備系の施工管理へ移る、の4つです。上がり幅が大きいのは③④ですが、働き方も大きく変わるので、年収以外の条件と合わせて選んでください。

ルート 年収の考え方 向いている人
系列系・大規模物件の設備管理 同じ仕事のまま待遇のよい会社へ。ビル管理士・電験三種で責任者になると上がりやすい ビルメンの仕事自体は続けたい人
電気保安(電験三種) 電気技術者の平均は703.9万円(job tag)。受変電設備の点検経験と電験三種をそのまま活かせる 電験三種を持っている・取る予定の人
設備保全・フィールドエンジニア・エレベーター保守 会社によっては等級制度が明確で、未経験でも前職の年収を上回ることがある。当社の事例では20代前半で+83万円 手を動かして機械を直したい人、日勤中心にしたい人
設備系の施工管理 建築施工管理技術者の平均は679.1万円(job tag)。当社の事例ではビルメン経験から電気工事の施工管理へ移って+100万円以上 工事の段取りや調整が苦にならない人

出典:厚生労働省 job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、建設ワークス 内定データ(2026年10月集計)

それぞれの仕事の実情は、設備保全はきつい?、フィールドエンジニア(サービスエンジニア)はやめとけ?、エレベーターメンテナンスに未経験から転職するには、設備施工管理はきつい?で解説しています。

「ビルメンで年収1,000万円」という話を見かけることがありますが、ビルメンの年収を資格別・役職別に集計した公的な統計はなく、当社の事例にもビルメンのまま1,000万円に届いた方はいません。現実的な目標は、20〜30代なら500万〜600万円台を、資格と職種の選び方で狙うことだと考えています。

なお、配管工や電気工事の職人など、設備工事の作業員としての転職は、職業安定法の定めにより当社の紹介対象外です。当社では、設備管理・電気保安・設備保全・保守・施工管理など、管理・技術職の求人をご紹介しています。

ビルメンの年収に関するよくある質問

ビルメンの平均年収はいくらですか?

厚生労働省のjob tagでは、ビル施設管理の平均年収は452.3万円、平均年齢は47.3歳です(令和7年賃金構造基本統計調査)。民間の平均給与487万円よりやや低い水準です。

ビルメンで年収600万円は可能ですか?

可能ですが、ビルメンのままなら系列系・大規模物件で電験三種やビル管理士を持つ責任者になるのが条件になりやすいです。当社の事例でビルメンの経験から600万円以上になった方は、電気工事の施工管理へ職種を変えた方でした。

資格を取れば年収は上がりますか?

4点セットだけで年収が大きく動くことは少なく、電験三種やビル管理士のように選任される資格と、それを評価する会社の組み合わせで上がります。電験三種を持っていても、ビル管理の会社への転職で年収が下がった例もあります。

40代・50代でビルメンに転職すると年収はどうなりますか?

当社の内定データでは、50代以上の方は10名中9名が横ばい〜ダウンでした。40代・50代の方は、年収を保ちながら宿直の有無や勤務地、定年後の雇用条件を良くする転職が中心になります。

まとめ

ビルメンの平均年収は452.3万円で、民間の平均より低めです。上がりにくい理由は、手当の積み上げで上がる給与体系、受託・下請けの立場、宿直手当に頼る構造にあり、職種そのものより会社の仕組みの問題です。

年収を上げたいなら、系列系・大規模物件で選任される資格者を目指すか、電気保安・設備系の技術職・施工管理へ職種を広げるのが近道です。当社の内定データでは、現年収400万円未満の方は13名中12名が転職で年収アップしています。一方、すでに年収が高い方は、年収を保って働き方を良くする転職が現実的です。

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この記事の監修
建設ワークス編集部
建設ワークスは、設備管理や電気・建築・管工事の施工管理を中心とした、建設業界に特化した人材紹介サービスです。この記事のビルメンの年収に関する記述は、厚生労働省 job tag・国税庁の公表値と、当社の紹介で内定した方の内定通知書・労働条件通知書の記載額(2026年10月集計)、ビル設備管理で働く方との面談の内容をもとにしています。資格の合格率は各試験実施団体の公表値によります。
建設ワークスの支援実績
年間面談数 約1,000件
累計支援者数 約3,000名(面談・キャリア相談を含む)
取引建設会社 1,000社以上(2026年8月時点)
支援領域 建築・電気・管工事の施工管理/設備管理/設計・積算/発注者側(施主)
厚生労働大臣 有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-315819