電気工事士が「金持ち」と言われるのは、独立して事業を広げた人や、大規模な工事を担う会社で管理職になった人の中に高い年収を得ている人がいるからです。ただし、すべての電気工事士が高収入というわけではありません。この記事では、年収が高い電気工事士の働き方と実態を解説します。
電気工事士は電気設備の工事やメンテナンスを行うための専門職であることや電気工事の件数が多く需要が高いと言えるため年収が高いと言われています。
そうした背景や、電気工事士は年収1,000万円以上も目指せることからも「金持ち」と言われ注目を集めています。
電気工事士には配線工事をメインで担当する人、エアコン工事をメインで活動されているかたがいますが、地球温暖化の影響もあり、これまでエアコンが必要ないエリアでの電気工事士が求められています。
そこで、本記事では電気工事士で公的な統計と当社の成約事例をもとに、年収が上がる電気工事士の働き方も含めご紹介していきます。
電気工事士は金持ち?年収1,000万円は目指せる?
電気工事士が「金持ち」と言われるのは、会社員として働く電気工事士の平均年収が628.1万円(厚生労働省 job tag、令和7年賃金構造基本統計調査)と、給与所得者全体の平均給与487万円(国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」)を上回っているからです。ただし、年収1,000万円に届くのは、大手の電気工事会社で施工管理や管理職になった人や、独立して事業を広げた人などに限られます。
| 項目 | 電気工事士(会社員) |
| 平均年収 | 628.1万円 |
| 平均年齢 | 41.6歳 |
| 労働時間 | 163時間/月 |
| 有効求人倍率 | 3.84倍(令和7年度) |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「電気工事士」(令和7年賃金構造基本統計調査を加工した値)、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」
年収が高い電気工事士の働き方
年収を大きく上げている電気工事士に共通するのは、現場作業だけでなく「管理」の仕事に軸足を移していることです。電気工事施工管理技士を取って現場の責任者になる、電験(電気主任技術者)を取って電気保安や設備管理に進む、独立して元請けとして仕事を受ける、といった道があります。
当社の成約事例に見る年収の動き
当社が支援した方の内定通知書・労働条件通知書の記載額から、電気工事士の資格を持つ方の転職事例を抜き出しました。上がった例だけでなく、下がった例もそのまま載せています。
| 年代・資格 | 転職先の職種 | 年収の変化 |
| 30代後半・2級電気工事施工管理技士、第一種・第二種電気工事士 | 電気工事の施工管理 | 600万円 → 809万円(+209万円) |
| 30代後半・第二種電気工事士 | 電気工事の施工管理 | 430万円 → 519万円(+89万円) |
| 20代後半・第二種電気工事士 | 設備系の会社 | 360万円 → 331万円(−29万円) |
| 40代・第一種電気工事士 | 建設系の会社 | 540万円 → 480万円(−60万円) |
出典:建設ワークス成約実績(2025〜2026年、内定通知書・労働条件通知書の記載額)。個人・企業が特定されないよう、年代と資格の粒度で記載しています。
年収が大きく上がったのは、電気工事施工管理技士などの資格を持ち、施工管理として手当や賞与の厚い会社に移ったケースです。電気工事士の資格だけで年収が上がるわけではなく、どの立場で、どの会社に評価されるかで決まります。
年収1,000万円になったときの注意点
所得税は所得が増えるほど税率が上がる累進課税(5%〜45%の7段階)で、社会保険料も年収に応じて増えるため、年収が上がった分がそのまま手取りになるわけではありません。独立した場合は、所得税・住民税に加えて国民健康保険や国民年金、事業の経費も自分で管理する必要があります。なお、児童手当の所得制限は令和6年10月分から撤廃されているため、年収による児童手当の減額は現在ありません。
出典:国税庁 タックスアンサーNo.2260「所得税の税率」、こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
電気工事士で金持ちを目指すため:電気工事士になる方法
電気工事士として年収1,000万円を超えることは難しいとお伝えしましたが、日本の平均年収よりも
電気工事士で1,000万円を超えることは難しくても、日本の平均年収(443万円)より多い収入を得られる可能性は高いです。
しかし、資格を取得し、専門性の向上や最新の技術の取り入れによって更に年収を上げることが期待できます。
電気工事士とは
電気工事士とは、電気工事士法により定められた資格保有者のことです。
ビル、工場、商店など一般住宅などの電気設備の安全を守るための
ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るための工事をおこなえます。
電気工事士の資格は2種類あります。
- 第一種電気工事士
- 第二種電気工事士
電気工事士として働くためには必ず資格が必要です。
電気工事士になるために
電気工事士の試験には、年齢・学歴・実務経験などの受験資格はなく、第一種・第二種ともに誰でも受験できます。ただし、第一種は試験に合格したあと、免状の交付を受けるために3年以上の実務経験が必要です(令和3年4月から一律3年)。第二種は試験に合格すれば、実務経験なしで免状を受け取れます。
出典:電気工事士法施行規則 第2条の4、一般財団法人 電気技術者試験センター
第2種電気工事士の試験内容
電気工事士の試験は学科試験と実技試験の二段階で行われ、学科試験と実技試験では次の科目があります。
学科試験の内容
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論および配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料および工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物等の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物等の保安に関する法令
電気理論では直流・交流など電流に対する基本的な特性の理解が求められ、オームの法則やキルヒホッフの法則を利用した計算問題が出題されます。
電気工事に関する法規問題も出題され、電気工事を安全に遂行するための電気工事法や電気設備に関する法規、省エネルギー規定などが出題されます。
技能試験の内容
- 配線の接続
- 配線工事
- 電気機器および配線器具の設置
- 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具の使用方法
- コードおよびキャブタイヤケーブルの取り付け
- 接地工事
- 電流、電圧、電力および電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物等の検査
- 一般用電気工作物等の故障箇所の修理
第2種電気工事士の実技試験は、基本的な電気工事技術を評価するため、スイッチやコンセント、照明器具などの接続や配線の取り回し・固定などの配線工事、適切な電線の選択など正確な接続方法の把握が求められます。
第2種電気工事士の資格を取得すると、一般家庭や小規模施設などの低電圧電気設備の工事をできるようになります。
新築やリフォーム時の電気配線やスイッチ、コンセントの取り付けには、エアコンなどの空調設備の工事が含まれます。
現状、電気工事士は不足しているため常時案件があることからも、高い年収水準でオファーされている電気工事士の求人が多いです。
引用:一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験」
第1種電気工事士の試験内容
第1種電気工事士になると、高圧および特別電圧の工事に携わることができるようになり、大規模な工業施設・発電所などの工事を担当できるようになります。
第2種電気工事士に比べ、工事規模・担当する電気工事の電圧が高くなるため、安全を考慮した専門知識が求められます。
第1種電気工事士試験の内容は以下の通りです。
学科試験
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論および配線設計
- 電気応用
- 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料および工具ならびに受電設備
- 電気工事の施工方法
- 自家用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 発電施設・送電施設および変電施設の基礎的な構造および特性
- 一般用電気工作物等および自家用電気工作物の保安に関する法令
第2種電気工事士の試験では材料の性質や特性が問われませんが、第1種電気工事では電気工事で使用する材料の性質や特性が問われます。
材料の特性を理解することで耐久性・耐熱性を考慮し安全性の確保できるようになること、エネルギー損失を減らし効率を高めることができます。
技能試験
- 電線の接続
- 配電工事
- 電気機器・蓄電池および配線器具の設置
- 電気機器・蓄電池・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具の使用方法
- コードおよびキャブタイヤケーブルの取り付け
- 接地工事
- 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定
- 自家用電気工作物の検査
- 自家用電気工作物の操作および故障箇所の修理
第一種電気工事士の資格を所有すると、以下のことができます。
- 第二種電気工事士ができること
- ビルや工事など大規模施設の電気工事
- 電圧の送配電線路における電気工事
また、第一種電気工事士の合格率や第一種電気工事士で出題傾向の多い科目や少ない科目についてはこちらで詳しく紹介しています。
引用:一般財団法人 電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験」
第1種電気工事士と第2種電気工事士の作業範囲
第一種電気工事士と第二種電気工事士は、作業できる範囲が異なります。
| 作業範囲 | 第一種電気工事士 | 第二種電気工事士 |
| 一般用電気工作物(600V以下) | 〇 | 〇 |
| 自家用電気工作物(600V以上かつ最大電力500kw未満) | 〇 | × |
主な違いは電圧レベル・設備の種類です。
電気工事士の主な仕事内容
電気工事士は電気を安全委使用するための設備や配線工事を行う専門職で、主に建築電気工事と鉄道電気工事のどちらかの専門性を磨いていく方が多いです。

建築電気工事について
建築電気工事とは、一般住宅や事務所など建築物の屋内外電気設備の設計や施工をおこなう工事のことで、建物の建設や改修における電気に関する工事を全て担当します。
建物に一律で同じ電気設備が必要になるわけではなく、コードや機材の耐電圧はいくらまでかといった電気設備におけるニーズの評価や実際にどこ照明を置くか、配線はどうするかなどの設計を行います。
電気工事における基本設計を怠った場合、エネルギー効率が下がる可能性、過負荷やショートによって電気火災が発生する可能性もあります。
鉄道電気工事について
鉄道電気工事は、電車線路や変電、電灯に関する新設工事・更新工事の設計業務を行います。
電車が安全な運行の役割を担い、架線工事や信号システムの設置やメンテナンス、踏切の電気工事を行います。
駅の電気設備の点検・工事
また、駅構内や電車の電気設備の点検・工事も担当し、照明やモニター、改札口や空調設備など多岐にわたる電気機器のメンテナンス等を実施します。
鉄道信号の設置・保守や鉄道網に電力を供給するための変電所・配電所システムの設置・管理なども行います。
電気工事士を活かせる仕事
先述の通り、電気工事士を取得すると一般住宅や小規模の店舗などの低圧で受電している設備の電気工事に従事できます。
屋内外の配線工事や家電の取り付け・取り外しなど幅広く行え、屋内のコンセントの取り付けなども携われるため日曜大工(DIY)をすることもできるようになります。
実際に電気工事士の資格を取得して活かせる仕事には次のようなものがあります。
- ビル設備管理
- サービスエンジニア
ビル設備管理
ビル設備管理の仕事は、商業ビルやオフィスビルに備わっている空調・電力、機械や防災などの設備を維持管理する仕事です。
電力を抑えるため、使用状況を確認し消費量が多い場合では機械を変えた方が長期的に見るとコストを抑えられることもあり、そうした電力消費量のコントロールができないかを検討します。
さらに、そうした機械の導入や運用中に機械が故障することもあるため、機械の修繕なども行います。
サービスエンジニア
サービスエンジニアはパソコンやコピー機、サーバー機器などの機械製品を保守・メンテナンスする仕事で、機械が故障した時に現場に訪問して機械の点検や修理を行うことがメインです。
ビルの他にも、病院やクリニックといった医療現場でのサービスエンジニアや工場や製造現場に設置されている産業機械の設置や点検業務を行う産業機械サービスエンジニアなど、サービスエンジニアにも働き方がさまざまあります。
電気工事士と合わせて持っておくと年収アップを期待できる資格
電気工事士の仕事は、発電所や変電所、工場やビルなど多岐にわたるものです。
規模が大きくなるほど作業難易度も高まりますが、責任を持つ立場になるために電気主任技術者という資格を保有するほうが良いでしょう。
電気主任技術者とは
電気主任技術者とは、発電所や変電所、工場やビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督という仕事に従事できる資格です。
電気設備を設けている事業者は、保安のあkんとくしゃとして電気主任技術者を専任しなければいけないことが法令で義務付けられています。(電気事業法 第四十三条)
電気主任技術者は第1種〜第3種までの3種類あり、それぞれ以下の範囲で保安監督できます。
| 電気主任技術者の種別 | 監督範囲 |
| 第一種 | すべての事業用電気工作物 |
| 第二種 | 電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物 |
| 第三種 | 電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く) |
電気工事士と電気主任技術者の資格を併せ持つことで、大きな規模の作業監督者になることができます。
監督者になると年収アップすることが多く、年収1,000万円を超える可能性があります。
電気工事士が金持ちといわれることがあるのは、資格を併せ持ちながら現場を統括できる立場にいる場合が多いからでしょう。
電気工事士で年収1,000万円以上を目指すなら、電気主任技術者の保有をおすすめします。
電気工事士は責任感が伴う分、金持ちを目指せる
会社員として働く電気工事士の平均年収は628.1万円(厚生労働省 job tag)で、給与所得者全体の平均給与487万円(国税庁)を上回ります。
日本の平均年収より高い水準を誇りますが、責任感を伴う重要な仕事内容が多いと言えるでしょう。
第一種電気工事士では、大きな規模の建物に対応できることで年収アップが期待できます。
しかし同時に多くの人の命に関わる重大な作業と管理をおこなうため、年収額以上に仕事に取り組む姿勢が求められています。
安全管理において高い責任感が求められ、電気を効率的に活用するための材料の特性・新しい技術についても常にキャッチアップしていく姿勢が求められます。
まとめ
本記事では、電気工事士で年収1,000万円を目指せて金持ち?を目指せるのか紹介してきました。
会社員の電気工事士の平均年収は628.1万円(厚生労働省 job tag)で、第一種電気工事士や施工管理技士・電験などの資格を重ね、管理する立場に進むことで、さらに高い年収を目指せます。
建設業界は人手不足で、これまでエアコンが必要ないエリアでの取り付け工事の需要が増加していることから、電気工事士の年収は増加傾向にあります。
資格取得は大変ですが、第2種電気工事士は18以上の方だと受験でき、未経験者の方でも電気関連の工事現場で実務経験を積むことで電気工事士を目指せます。
相場よりも高い年収オファーの電気工事士の求人を抱えているので、年収をアップさせたい方はご気軽にご相談ください。
| 年間面談数 | 約1,000件 |
| 累計支援者数 | 約3,000名(面談・キャリア相談を含む) |
| 取引建設会社 | 1,000社以上(2026年8月時点) |
| 支援領域 | 建築・電気・管工事の施工管理/設備管理/設計・積算/発注者側(施主) |