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大規模修繕に最適な周期は?建物の部位ごとの周期や塩害による影響も解説!

建物は年数の経過に伴い、劣化していくため建てた当時の機能や安全性を保つために一定期間ごとに大規模修繕を行う必要があります。

大規模修繕は建物の劣化に合わせて行われることとなり、明確な時期が定められているわけではありませんが、一般的な周期の目安は存在しています。

適切な時期に大規模修繕を行うことで、費用面でも機能面でも最大限の効果を発揮できるため、行うタイミングの見極めが重要となります。

 

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この記事では、大規模修繕が行われる周期や、築年数ごとの修繕すべき箇所などについて解説していきます。

大規模修繕の周期

最初に、大規模修繕の周期について解説していきます。

大規模修繕を行う周期の目安や、修繕時期が早すぎる場合や遅すぎる場合にどういったデメリットがあるのかを解説します。

大規模修繕の目安

大規模修繕の周期にはいろいろな意見がありますが、一般的に12年周期を目安と言われていることが多いです。

実際は、大規模修繕をいつ行うのかは、建物の劣化具合などを踏まえて決定されます。

近年では使用されている材料や塗装などの耐用年数が上がっており、18年周期で行うことを検討することも増えてはいます

ただし、12年目の段階で修繕が必要にも関わらず先延ばしにしてしまうと、建物の劣化が更に進み、結果的に費用が大きくなる可能性があるため注意が必要です。

早すぎると金銭的に負担が増え、遅すぎると別途費用が発生する?

大規模修繕は早すぎず遅すぎず、適切な時期に行うことが何よりも重要です。

大規模修繕では、一般的な周期である12年を迎えたからといって、まだ修繕を行うべき時期でないにも関わらず早めの修繕を行ってしまうケースもあります。

そうすると、まだ必要ないにも関わらず修繕を行うことになるため、最大限の効果が得られない可能性もあります。

大規模修繕を早くに行ってしまうことで、次回の大規模修繕までの期間も早まってしまい、長期的に見て金銭的な負担が増えてしまうケースもあります

一方、大規模修繕を行うのが遅すぎた場合には、通常よりも劣化が進んだ建物を修繕するために余計に費用が発生し、事前の予想よりも高額な工事費用になる可能性があります

大規模修繕の効果を最大化するためにも、行う時期を見極めることが大切です。

いつ大規模修繕を行うべきかを調査するためには、専門業者に依頼して建物診断を行うことが重要です。

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建物診断とは、専門業者が外壁や屋上、廊下などの建物の劣化状況などを目視や打診、機械などを用いて調査することを指します。

 

建物診断は現在の建物の経年劣化が明確になり、修繕すべき箇所を洗い出すことができます。

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そのため、大規模修繕工事を行う時期を見定める際や大規模修繕の見積もりを出す際に役立ちます。

大規模修繕の周期は法律で定められている?

大規模修繕の周期は法律では定められていません。

そのため、修繕時期はマンションの劣化具合によって変わってきます。

ただし、外壁全面打診調査を10年ごとに行うことが義務付けられています

外壁タイル等の落下事故を未然に防ぎ、建築物の安全性や適法性を確保するため、建築基準法で一定規模以上の建築物を調査し報告することを求めている法律

この外壁全面打診調査は、平成20年の建築基準法の改正によって義務化されました。

外壁全面打診調査の対象となるのは竣工か外壁改修から10年が経っており、外壁にタイル・石貼り・モルタルのいずれかの素材を使用している建物です。

これに該当する場合には、3年以内に外壁全面打診調査を行う必要があります

そのため、大規模修繕は行わないとしても、10〜13年ごとに一度は外壁全面打診調査を行わなければなりません。

 

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外壁全面打診調査とは、テストハンマーによって外壁に劣化や損傷などが無いかを確認するための調査です。

近年は赤外線を搭載したドローンを使用して全面打診調査を行うことも可能となっております。

建物の機能を維持し、思わぬ事故を防ぐためにも、定期的に建物の内外の検査を行っていく必要があります。

対象部位別の大規模修繕の周期

マンションは大規模修繕を行うべき年数になる前から、築年数に応じて設備が徐々に劣化し始めます。

劣化による建物への影響を極力抑えるために、日頃から設備を点検し、もし異常が生じた場合には修繕を怠らないようにすることが重要です。

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築年数ごとの修繕箇所を知っておき、築年数に伴う建物の劣化状況をより深く理解しておくと良いでしょう。

大規模修繕は一般的に2回、3回と回数を重ねるごとに修繕しなければいけない箇所が増えていく傾向にあります

そのため、1回目よりも2回目以降の方が費用が高くなりやすいと考えられています。

以下の内容に目を通すことで、なぜ大規模修繕は回数を重ねるごとに費用が高くなるのかを理解できることでしょう。

マンションの大規模修繕の費用対効果を最大化するためにも、ぜひ以下の情報を参考にしてください。

対象部位別の大規模修繕の周期

築年数4〜6年目の修繕箇所

まず、築年数4〜6年目では、鉄部塗装に劣化が生じ始めます。

鉄部には、手すり、玄関の扉、雨戸、窓枠、エレベーターの扉、非常階段などがあります。

鉄部は塗装を行うことによって錆が生じることを防いでいます

また、塗装が剥がれて鉄部に錆が生じてしまうと、見た目が美しくなくなります。

それだけでなく、錆によって鉄の内部まで腐食されると、鉄自体が脆くなってしまって最終的に設備自体が機能しなくなる可能性さえあります。

そのため、定期的に再塗装することで鉄部を経年劣化や腐食から守ることが重要です。

築年数7〜10年目の修繕箇所

築年数7〜10年目は、屋根や屋上、給水ポンプ、排水ポンプといった設備に経年劣化が生じ始めます。

屋根や屋上には雨水などを避けるために防水塗装が施されています。

これらの塗装が劣化し、徐々に剥がれていくと、最終的に屋根や屋上から雨水などが入り込み、雨漏りなどの問題が生じる可能性があります。

給水ポンプや雨水排水ポンプは建物の水道システムを維持するために必要不可欠な設備のため、定期的に点検を行い、劣化状況を確認していく必要があるでしょう。

この時期はもうすぐ大規模修繕を行うことになる時期にも該当するため、同時に大規模修繕に対しての準備などを進めていくこととなります。

建物診断を行い、大規模修繕の時期を明確にするのもこの時期となります。

築年数11〜15年目の修繕箇所

築年数11〜15年目は一般的に1回目の大規模修繕を行う時期と考えられています。

この時期には、前述した設備以外に、外壁、電気設備、廊下、階段、バルコニー、インターホン、アンテナ類、消火栓、駐車場などの様々な設備に劣化が生じます。

一気に修繕を行うべき箇所が増えることからも、この時期に大規模修繕を行うことが多いようです。

特に外壁は劣化すると下地やタイルにひび割れや浮きが生じてくるため、外壁の落下による思わぬ事故が起こる可能性も高くなります。

外壁全面打診調査と併せながら、大規模修繕を行ってしまうのも良いでしょう。

築年数16〜20年目の修繕箇所

築年数16〜20年目には、鉄部、火災報知器、機械式駐車場、給水ポンプ、排水ポンプなどの劣化状況の確認が必要でしょう。

給水ポンプや排水ポンプはこの時期に寿命を迎えるケースが多いため、業者による点検を受けて、交換が必要な場合には交換を行いましょう。

この時期は建物全体の設備の確認を行い、劣化が認められる箇所について修繕を行うことが重要です。

2回目の大規模修繕工事に向けて、必要であれば長期修繕計画を見直しておくことも重要です。

築年数21〜25年目の修繕箇所

築年数21〜25年目は2回目の大規模修繕工事の時期となります。

2回目の大規模修繕工事は、1回目よりも修繕箇所が広範囲に及ぶため、費用が大きくなりやすい傾向にあります。

修繕箇所は1回目の修繕箇所に加えて、エレベーターと給水管、排水管、給水ポンプ、排水ポンプなどの上下水道設備が含まれます。

この他、掲示板、郵便受け、宅配ロッカーなどの設備の交換を行うこともあります。

築年数が20年を超えると、竣工当時よりも耐震性や断熱性に優れた素材や設備が登場している頃のため、新たなものに取り替えることで住宅の機能をより良くしていくことも検討する時期となります。

この時期は管理組合でよく話し合いをして、マンションの今後について決めていく必要があるでしょう。

築年数26〜30年目の修繕箇所

築年数26〜30年目では、エレベーターやインターホンの修繕を行うことが多いです。

エレベーターはこの時期に耐用年数が切れる場合も多いため、定期点検などの結果を見て、必要であれば交換を行いましょう。

2回目の大規模修繕で交換している場合には修繕を行う必要はありません。

インターホンも耐用年数が近づき経年劣化が生じるため、交換を行う場合が多いです。

築年数31〜40年目の修繕箇所

築年数31〜40年目は3回目の大規模修繕の時期となります。

3回目の大規模修繕では、2回目の修繕箇所に加えて、玄関ドアやサッシ、手すりなどの鉄部の交換が行われることが多いです。

電気設備なども耐用年数を迎える場合が多いため、併せて交換となることもあるでしょう。

築年数が30年以上になると、修繕よりも建物の素材や設備を新しいものに置き換える方がコストパフォーマンスが良くなるケースも多いです。

そのため、施工業者と相談しながら今後の対応について検討していく必要があります。

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マンションは、3回目の大規模修繕は必要最低限のものに留めて、今後を考えて建て直しを行うケースも多いようです。

海辺では大規模修繕の周期が短い?

大規模修繕の時期は建物によって異なりますが、海辺ではその周期が早まりやすいとされています。

その原因は海から流れてくる潮風が関係していると考えられているようです。

以下で詳しく解説していきます。

海辺では大規模修繕の周期が短い?

塩害がマンション・家の劣化を早める仕組み

海の側にあるマンションや家は塩害の影響を受けるため、通常よりも劣化が早まります。

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塩害とは、海からの潮風が建物に吹き付けることによって、建物の外壁が劣化し塗装が剥がれたり、建物の金属部分が腐食したりすることを指します。
外壁がコンクリートであっても、海からの潮風によって外壁に塩が付着して徐々にコンクリート内部まで浸透していき、内部の鉄筋を腐食させることがあります。

腐食が進行すると鉄筋は膨張し、外壁のコンクリートが割れたり剥がれ落ちたりして思わぬ事故に繋がる可能性があるのです。

それだけでなく、鉄筋が腐食によって劣化すると建物自体の強度が保てなくなり、使用できなくなるといったこともあり得ます。

海の近くにあるマンションではこうした塩害に対応するために、塩害に強いフッ素で塗装を行ったり、外壁に付いた塩をこまめに洗い流したりといった対策が必要となります

海の近くのマンションでは塩害による劣化をなるべく抑えるために、大規模修繕を通常より早い7〜8年ほどのスパンで行うことも多いとされています。

金属製の外壁は劣化が早くなる

金属は潮風によって腐食していくことから、塩害の影響を特に受けやすい物質です。

そのため、海の側にある建物では、外壁にスチールやトタンなどの金属製の素材を使用しない方が良いとされています。

金属製であっても、ステンレスやガルバリウム鋼板などの素材であれば腐食しにくいため、もし金属製の素材を使うのであればそれらを利用しましょう。

金属製以外では粘土で構成されていて寿命も長いタイルや、塩化ビニル樹脂で構成された樹脂系サイディングなどを利用するのが一般的です。

海沿いにマンションを立てる場合には、建物の外壁の素材についてもよく吟味する必要があります。
海の側にあるマンションでは、家の劣化が通常よりも早く進行してしまいます。
そのため、早めに建物診断を実施し、必要がある場合はこまめに外壁の修繕を行うなどして、塩害の影響を最小限に抑える必要があるでしょう。

まとめ

今回はビルやマンションの大規模修繕の周期についてご紹介しました。

一般的には12年周期とはされていますが、近年では15年周期や18年周期なども一般的になっています

修繕箇所は、築年数が経過するにつれて経年劣化が進み増えていく傾向にあります。

この記事を参考に、どの部位を修繕すべきかを事前に知っておき、大規模修繕を行う際に役立てていただければ幸いです。

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修繕費用を無駄にしないためにも、建物診断などを上手に活用して大規模修繕の時期を見極めることが重要となるでしょう。