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建設業界の資格一覧|転職で評価される資格と年収への効き方

建設業界の資格は、「取れば年収が上がるもの」ではなく「応募できる求人の入口を開けるもの」です。当社が2025〜2026年に成約した34件を内定通知書ベースで集計すると、年収が上がったケースの半数近くは施工管理の資格を持っていない方でした。逆に1級資格を複数持つ方が年収を下げて転職した例もあります。

この記事では、建設業界の主な資格を職種別に整理したうえで、それぞれの資格が転職市場で実際にどう扱われているかを、公的統計と当社の成約データの両方で示します。資格の取得手順そのものより、「その資格で何が変わるのか」に紙面を使います。

建設業界の資格一覧【職種別】

建設業界の資格は、大きく①施工管理系/②電気・設備系/③設計・測量系/④現場作業・技能系の4つに分かれます。転職市場で最も求人が多いのは①施工管理系で、有効求人倍率は建築で8.62倍、土木で15.74倍。これは全職種平均を大きく上回る水準です。

職種 平均年収 有効求人倍率 平均年齢
建築施工管理技術者 679.1万円 8.62倍 43.4歳
土木施工管理技術者 625万円 15.74倍 46.0歳
土木設計技術者 625万円 9.87倍 46.0歳
電気工事士 628.1万円 3.84倍 41.6歳
送電線工事 628.1万円 12.42倍 41.6歳
配管工 523.1万円 11.03倍 42.9歳
測量士 543.1万円 4.29倍 46.1歳
ボイラーオペレーター 452.3万円 1.14倍 47.3歳

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」。年収・平均年齢は令和7年賃金構造基本統計調査を加工して作成、有効求人倍率は令和7年度ハローワーク求人統計。

この年収は職種の統計であって、資格保有者の年収ではありません。「◯◯の資格を取れば年収△△万円」と書いている情報を見かけますが、資格別の年収統計は公的には存在しません。この記事の後半では、その代わりに当社の成約実績(内定通知書ベース)を使います。

① 施工管理系

現場の工程・原価・品質・安全を管理する職種です。代表資格は建築/土木/電気工事/管工事の各施工管理技士(1級・2級)。建設業法上、一定規模以上の工事には主任技術者・監理技術者の配置が義務づけられており、この配置要件を満たせる人材そのものが不足しているため、求人倍率が突出しています。

転職で最も評価されるのはこの領域です。2級でも十分に評価され、1級を持っていれば監理技術者として配置でき、資格手当の相場も上がります。

② 電気・設備系

第一種・第二種電気工事士、電気主任技術者(電験三種)、管工事施工管理技士、ボイラー技士、冷凍機械責任者など。設備の保安・管理には法令上の選任義務があるものが多く、資格がそのまま業務範囲になります。

ビルメンテナンス・設備管理の入口としては「ビルメン4点セット」(第二種電気工事士・2級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者・危険物取扱者乙4)がよく挙げられますが、この4つは未経験の入口を開けるもので、年収を押し上げる力は限定的です。

③ 設計・測量系

一級・二級建築士、技術士(建設部門)、測量士・測量士補、RCCMなど。取得難易度が最も高い領域で、一級建築士の総合合格率は11.4%です。技術士(建設部門)は建設コンサルタント業界の最上位資格にあたります。

④ 現場作業・技能系

玉掛け、フォークリフト運転技能講習、足場の組立て等作業主任者、車両系建設機械など。多くは講習の修了で取得でき、現場で作業するために必須になるものです。

建設ワークスは有料職業紹介事業者であり、職業安定法第32条の11により、建設業務(現場作業員・職人としての就労)の職業紹介はできません。④の技能系資格を活かした現場作業の求人は、当社ではお取り扱いがありません。当社がご支援できるのは、施工管理・技術者・設備管理といった管理系の職種です。ただし「現場経験を活かして施工管理へ移りたい」というご相談は承れます。実際、そのルートでの成約が多くあります。
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難易度で並べるとこうなる【令和7年度の合格率】

主要資格の合格率です。合格率が低いほど転職市場で評価される、という単純な関係にはありません。後述のとおり、当社の実績では最難関クラスの資格保有者が年収を下げて転職した例が複数あります。

資格 合格率(令和7年度) 区分
一級建築士 11.4%(学科16.5%/製図35.0%) 設計
第三種電気主任技術者 12.9%(上期)/13.1%(下期) 電気保安
1級土木施工管理技士(第二次) 38.9% 施工管理
1級建築施工管理技士(第二次) 39.0%(第一次 48.5%) 施工管理
1級電気工事施工管理技士(第二次) 69.6%(第一次 41.5%) 施工管理
二級ボイラー技士 52.9% 設備
第一種電気工事士 学科57.4%/技能58.1% 電気工事
第二種電気工事士 学科56.6%/技能71.8% 電気工事

出典:国土交通省 報道発表(一級建築士)/一般財団法人 建設業振興基金(建築・電気工事施工管理)/一般財団法人 全国建設研修センター(土木施工管理)/一般財団法人 電気技術者試験センター(電気工事士・電気主任技術者)/公益財団法人 安全衛生技術試験協会(ボイラー技士)。

1級電気工事施工管理技士の第二次検定は、令和6年度の49.6%から令和7年度は69.6%へ大きく上がっています。「約50%」と書いている解説は古い数字です。

転職市場では、どの資格がいくらになるのか【当社データ】

ここからが本題です。以下は、建設ワークスが2025〜2026年に成約した案件のうち、入社時年収を内定通知書・労働条件通知書の実物から集計した34件から抜き出したものです(氏名・企業名は伏せています)。

年収が上がったケース

年代 保有資格 前職の経験 年収の変化
30代後半 2級電気工事施工管理技士+第一種・第二種電気工事士 電気工事施工管理 600万 → 809万(+209万)
40代 施工管理資格なし(普通免許のみ) 設備メンテナンス/現場責任者 450万 → 600万(+150万)
20代後半 第二種電気工事士 管工事施工管理 320万 → 447万(+127万)
20代前半 資格なし 完全未経験(異業種) 306万 → 426万(+120万)
30代後半 第二種電気工事士 電気工事施工管理 430万 → 519万(+89万)
30代 普通免許のみ 事務・営業(建設業未経験) 350万 → 439万(2年目496万)
20代後半 施工管理資格なし 管工事・電気工事施工管理 400万 → 486万(+86万)
20代前半 資格なし 職人から施工管理へ転換 360万 → 436万(+77万)

横ばい・下がったケース

年代 保有資格 年収の変化
60代 1級管工事+1級電気工事施工管理技士 1,000万 → 900万(−100万)
60代 1級建築士 800万 → 712万(−88万)
40代 第一種電気工事士 540万 → 480万(−60万)
50代 2級建築士 600万 → 550万(−50万)
30代後半 2級管工事施工管理技士 800万 → 762万(−38万)
30代後半 第三種電気主任技術者 500万 → 482万(−18万)
50代 1級管工事施工管理技士 700万 → 700万(±0)

出典:建設ワークス成約実績(内定通知書・労働条件通知書の実物から集計/2025〜2026年・34件)。氏名・企業名は非公開。

このデータから言えること

① 年齢が最大の変数。資格ではありません

年収が上がった方の平均年齢は約30歳。下がった方には50代以上が7名含まれます。1級資格を持っている方ほど下がっているように見えますが、これは資格が評価されないのではなく、高年収帯からの転職は構造的に下がりやすいということです。

「資格を取れば年収が上がる」という説明は、40代後半以降・現年収600万円超の方には当てはまりません。

② 現年収300万円台からの伸びが最も大きい

現年収300万円台以下でスタートした7名は全員が年収アップ(平均+80万円)。受け入れ企業の等級テーブルに乗った時点で大きく動きます。逆に600万円を超えていると、上げ幅を取るのは難しくなります。

③ +200万円の型は1つだけ

34件中、+200万円に届いたのは1件のみでした。条件は「有資格の施工管理 × 大手ゼネコン系サブコン」。職務グレード給に加えて現場設計従事手当・現場資格手当がつき、賞与が厚い企業に、資格を持った施工管理者が入るという組み合わせです。これが唯一の再現条件です。

その資格を取る前に、いくらになるか確認しませんか
同じ資格でも、企業の等級制度と手当の設計で年収は100万円以上変わります。建設ワークスは実際の内定条件のデータを持っており、「その資格でいくらの求人に応募できるか」を具体的にお伝えできます。

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資格がなくても、建設業界には転職できます

上の表のとおり、+150万円・+127万円・+120万円・+86万円・+77万円のケースは、いずれも施工管理の資格を持っていません。うち2名は建設業界そのものが未経験でした。

効いていたのは資格ではなく、「現場実務の年数」と「受け入れ企業の等級制度」です。等級テーブルが明示されている企業ほど、無資格でも初任等級が高く出ます。

建設ワークス
「資格を取ってから転職しよう」と1年待って、その間に年齢が上がってしまう方をよく見ます。20代なら、先に転職して、実務経験を積みながら資格を取るほうが早いケースが多いです。施工管理技士の受検には実務経験が要るので、順番としてもそのほうが合理的です。

未経験から入るなら、この順番で取る

順番 取るもの 理由
1 普通自動車運転免許 現場移動で必須。求人の応募条件になっていることが最も多い
2 2級施工管理技士(第一次検定) 第一次検定は17歳以上なら実務経験なしで受検できる。合格すると「技士補」を名乗れる
3 第二種電気工事士 など職種の入口資格 担当領域が決まってから。合格率が高く独学で取りやすい
4 2級施工管理技士(第二次検定) 実務経験を積んでから。ここで初めて年収に効き始める
5 1級施工管理技士 監理技術者として配置でき、資格手当の相場が上がる

ポイントは2番です。2級施工管理技士の第一次検定は実務経験が不要なので、転職活動と並行して取れます。「まだ実務経験がないから資格は無理」と思っている方が多いのですが、そんなことはありません。

よくある質問

建設業界の転職で、いちばん有利な資格は何ですか

1級建築施工管理技士または1級土木施工管理技士です。理由は難易度ではなく、建設業法上の監理技術者として配置できるから。企業は工事を受注するためにこの有資格者を必要としており、求人倍率がそのまま需要の高さに表れています(建築8.62倍・土木15.74倍)。

資格手当はどのくらい出ますか

企業によって幅が大きく、全国一律の相場データはありません。当社が扱う求人では、2級施工管理技士で月5,000〜10,000円、1級で月10,000〜30,000円程度の設定を見かけますが、基本給に組み込む企業もあり、手当の額だけで比較すると判断を誤ります。総支給で比較してください。

未経験・資格なしでも施工管理になれますか

なれます。当社の成約実績でも、異業種からの転職で年収が120万円上がったケースがあります。ただし20代・30代前半のほうが選択肢は明確に多いのが実情です。

ビルメン4点セットは取る価値がありますか

設備管理・ビルメンテナンスに未経験から入るなら価値があります。いずれも合格率が高く(第二種電気工事士・2級ボイラー技士はどちらも50%以上)、応募できる求人の母数が確実に増えます。ただし年収を大きく動かす資格ではありません。年収を狙うなら電験三種か施工管理系へ進む必要があります。

資格を取ってから転職すべきですか、転職してからですか

施工管理技士を狙うなら、転職が先で構いません。第二次検定には実務経験が必要で、その経験は転職先で積むことになるからです。一方、電気主任技術者のように「認定取得に特定の設備での実務経験が要る」資格は、職場選びそのものが取得可否を決めます。この場合は先に職場を選ぶ必要があります。

まとめ

建設業界の資格は、応募できる求人の入口を開けるものです。年収を決めているのは、資格そのものより年齢・現年収・受け入れ企業の等級制度でした。

当社の34件のデータが示しているのは3つです。上がるのは20〜30代/現年収300万円台からの伸びが最大/+200万円は「有資格の施工管理 × 大手サブコン」の1パターンのみ。そして、資格がなくても+77〜150万円のケースが複数あります。

未経験から入るなら、まず2級施工管理技士の第一次検定。実務経験なしで受検できるので、転職活動と並行して進められます。

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この記事の監修者
松井 和也(まつい かずや)
建設ワークス 事業責任者
建設業界に特化した人材紹介サービス「建設ワークス」の事業責任者。1,000社以上の建設会社・設備会社の求人と日々向き合い、施工管理・設備管理・技術者職の転職相談を数多く受けている。内定条件の実物を集計する運用を自社で行っており、資格と年収の関係を推測ではなく実データで見ている。
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