施工管理技士は建設現場における、現場監督の業務を行っています。
施工管理技士の中でも従事するプロジェクトの工種や業界によって業務内容や求められるスキル、必要な資格も異なってきます。
今回の記事では、施工管理技士について理解を深めるために、施工管理技士の仕事内容、施工管理技士になるために必要な資格や資格取得に向けた必要な対策、業界の展望について紹介していきます。
また、建設業界における施工管理技士の資格は主に一級・二級でそれぞれ分類されており、7種類の国家資格が存在します。各工種の国家資格において、それぞれどのようにして資格が取得出来るか、それぞれの資格の取得に向けた勉強方法、それぞれの資格でどのような業務に対応出来るかについて説明していきます。
施工管理技士とは?
施工管理技士は施工そのものを行うのではなく、建設現場における全体を俯瞰した監督の役割を担います。一般的な建設現場のイメージとしては、職人や作業員の方の存在感が強く感じられますが、施工管理技士は現場において重要な役割を担っています。
施工管理技士の業務は多岐に渡りますが、大まかには4大管理と呼ばれる、「工程管理」・「原価管理」・「品質管理」・「安全管理」に分類されます。
工程管理
工程管理は工事全体のスケジュール管理を指します。
依頼主と相談の上で設定された工期に基づき、現場の職人や資材メーカー等の関係会社とスケジュールを調整し、工程表に落とし込んだ上で工期通りに作業が進むように環境を整えていきます。
工期の延期は施主との契約違反となってしまう為、施工管理技士には工期に遅れが出ないようスケジュール管理が必要不可欠です。
工事は様々な関係者を巻き込みながら進められていく為、様々な想定外を先回りしながら工期を遅らせないように人員の管理や材料の管理を行うことが求められます。
原価管理
会社として利益を上げるためには、コストを抑えることが必要不可欠です。
昨今の資材費用の高騰は建設業界の利益率を保つ上で重要な課題の一つです。
施工にかかる様々なコストを計算し、外注費や材料費などの原価をコントロールし、工事の採算を合わせる為の予算管理も施工管理技士の重要な仕事の一つです。
工期の施工管理技士には、赤字案件を出さないためにも無駄な人件費や材料費を抑える事で、利益を最大化させることが求められます。
品質管理
品質管理は施主と事前に設計図や仕様書の同意を取るコミュニケーションから始まります。
施主の作りたいものを実現することも重要ですが、予算や工期との兼ね合いの中で、施主側の要望を闇雲に聞き入れてしまいすぎると、施主が本来求めている要望を予算内で叶えることが難しくなることも多いです。
施主が求めるものと実現可能なものの期待値のバランスを取りながらコミュニケーションを取っていくことが重要です。
施主との条件合意を行った後、施工が始まってからは品質基準を保つ為の管理が求められます。
施工管理技士は施工が進む過程の中で、材料の荷姿や鉄筋の状態など様々な工程における写真を撮影し、証拠を残したり、品質を保つ為の寸法のズレの有無の確認などを行う必要があります。
施主と合意した品質基準に満たない場合、後から施主及び職人とのトラブルに発展してしまう可能性も有るため、品質管理は施工管理における重要な役割の一つです。
安全管理
建設現場には労災にまつわる様々な危険が潜んでいます。
安全第一で作業員を危険から守る事は施工管理士にとって重要な業務です。
建設現場において件数の多い労災は、墜落・転落、転倒、挟まれ・巻き込まれ、飛来・落下などがあります。
事故の種類 | 令和4年度発生件数(件) |
墜落・転落 | 4,594 |
転倒 | 1,734 |
はさまれ・巻き込まれ | 1,706 |
飛来・落下 | 1,318 |
切れ・こすれ | 1,272 |
動作の反動・無理な動作 | 940 |
激突され | 800 |
高温・低温物との接触 | 233 |
労災は主に作業環境によるリスクと不注意や不安全による人的要因によるリスクがあります。
そこで、施工管理技士が主に機器及び設備の定期点検や建設現場で事故が起こりそうな危険な箇所を見定め、手すりをつけることや、注意喚起などによって建設現場での事故発生を排除します。
人的な要因(不安全な行動)によるリスクを減らすために、朝礼時にその日に行う作業によって起こりうるリスクとそれに対する対処法を職人に挙げてもらう「KYK(危険予知活動)」や、天候に応じた作業の中断・中止などを行います。
その他にも5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を現場内で徹底させる事で、作業員のリスクに対する意識を高める活動も自己を防ぐ上で重要です。
施工管理技士の資格の種類と受験資格と合格率
施工管理技士は主に下記に分類されます。
- 建築施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 電気施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
- 建設機械施工管理技士
- 電気通信工事施工管理技士
各工種の資格における施工管理技士の資格には、1級と2級の国家資格があり、国家資格を持っていることによって、建設現場に配置が義務付けられている「主任技術者」を担当することが出来ます。
4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の工事の場合、「主任技術者」よりも更に上位にある、「監理技術者」を配置する義務があり、監理監督技術者になるには1級資格が必要になります。
その他にも、1級資格を保有している事で、「経営事項審査点数」を高める事が出来ます。
「経営事項審査点数」とは、公共工事に入札する際に、建設業者をスコアリングし、施工の基準を上げる為の評価システムです。
経営事項審査の基準の中に技術者の数という項目があり、1級施工管理技士は2級施工管理技士と比べ、評価点が高く加算されるため、上位資格を取ることで転職市場においても高く評価されることとなります。
ここからはそれぞれの工種に応じた、施工管理技士の資格の内容を見ていきます。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は主にオフィスや学校、家などといった、建物の鉄筋工事や塗装工事及び内装の仕上げなどを始めとした建築工事の設計及び施工管理を行います。
1級と2級の資格に分かれており、2級では主任技術者になることが出来、1級では主任技術者及び監理監督者になることが出来ます。4,500万円を超える工事を行う際には1級建築施工管理技士が必要となります。
2級建築施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格です。
検定科目は建築学等、施工管理法(知識)、施工管理法(能力)、法規に分かれております。
一次試験の合格率、過去5年の施工管理技士の合格率の推移で見ると、平成30年度が最も低く、25.9%で、最も高かったのは令和3年度で49.0%でした。過去5年の合格率を平均すると36.9%となっています。
二次試験では、マークシート形式の問題と記述式の問題に分かれており、同じく得点60%以上が合格ラインとなっています。出題される問題は主に建築・躯体・仕上げに分かれており、それぞれの施工管理法の知識と能力が問われます。
二次試験の合格率は過去5年間の平均値は39.3%ほどですが、直近3年間の合格率は50%を超えています。
2級建築施工管理技士の勉強時間は、実務経験の量にもよりますが、50時間と言われています。1日1時間の勉強時間で、2ヶ月前後で資格取得をすることが出来ます。
1級建築施工管理技士は2級と比べ難易度は倍程度と言われていますが、1級を受験する場合、2級以上に現場経験を有している受験者が多い為、一次検定の過去5年間の平均合格率は42.7%で、2級よりも若干高い水準になっています。
一次検定はマークシート形式で、建築学等・施工管理法・法規で構成されており、60%以上の得点で合格となります。
二次検定の過去5年間の平均合格率は44%となっております。二次検定は施工管理法に関しての問題でマークシート形式と記述形式の問題が出題され、得点が60%以上で合格となります。
勉強時間の目安としては、1級建築施工管理技士の場合75時間ほどが目安と言われており、1日1時間の勉強時間で、2~3ヶ月で資格取得を目指すことが出来ます。
2級建築施工管理技士の資格は一次検定と二次検定に分けられます。一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。一方二次検定を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
学歴 | 建築施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 |
職業能力技能開発推進法による技能検定合格者であれば、以下の様な受験資格となります。
受験種別 | 職業能力開発促進法による技能検定合格者 | 必要な実務経験年数 | |
技能検定職種 | 級別 | ||
躯体 | 鉄工(構造物鉄工作業)、とび、ブロック建築、施工、鉄筋組立て、型枠、コンクリート圧送施工、鉄筋施工、エーエルシーパネル施工 | 1級 | 不問 |
2級 | 4年以上 | ||
2003年以前に技能検定に合格した者 | – | 不問 | |
単一等級エーエルシーパネル施工 | – | 不問 | |
仕上げ | 建築板金(内外装板金作業)、石材施工(石張り作業)、石工(石張り作業)、建築大工、タイル張り、畳製作、左官、内装仕上げ施工、防水施工、(プラスチック系床仕上げ工事作業、 カーペット系床仕上げ工事作業、鋼製下地工事作業、ボード仕上げ工事作業)、床仕上げ施工、天井仕上げ施工、スレート施工、熱絶縁施工、カーテンウォール施工、サッシ施工、ガラス施工、表装(壁装作業)、 塗装(建築塗装作業) 、れんが積み | 1級 | 不問 |
2級 | 4年以上 | ||
2003年以前に技能検定に合格した者 | – | 不問 | |
単一等級れんが積み | – | 不問 |
1級建築施工管理技士においては、一次検定の段階で受験資格が明記されています。下記に受験資格について記載致します。
区分 | 学歴又は資格 | 実務経験年数 | ||
指定学科卒 | 指定学科以外卒業 | |||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 | |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | ||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヶ月以上 | ||
中卒またはその他の場合 | 15年以上 | |||
ロ | 2級建築士試験の合格者 | 合格後5年以上 | ||
ハ | 2級建築施工管理技術検定合格者 | 合格後5年以上 | ||
2級建築施工管理技術検定第二次試験合格後、実務経験が5年未満 | 短大・5年制高等専門学校、専門学校卒 | 上記イの区分参照 | 卒業後9年以上 | |
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヶ月以上 | ||
中卒またはその他の場合 | 14年以上 | |||
ロ | 2級建築施工管理技術検定第二次試験(令和2年度までは実地試験)の合格者 | 実務経験年数は問わず |
1級の二次試験の受験資格は下記になっております。
受験資格 |
①一級建築士合格者で、上の表の区分イ~ハの受験資格を保有している |
②一次検定合格者で、区分イ~ハの受験資格を保有している |
③一次検定合格者で、区分二の受験資格を保有している |
④第一次検定の合格者 |
受験資格の取得には学歴及び実務経験も必要となります。二次試験受験に必要な資格は下記です。
指導監督的実務経験1年以上を含む場合
区分 | 学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | ||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヶ月以上 | |
中卒またはその他の場合 | 15年以上 |
主任技術者としての経験1年以上を含む場合
区分 | 学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | ||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6ヶ月以上 | |
中卒またはその他の場合 | 13年以上 |
最終学歴に応じた必要な実務経験をこなす事で初めて取得が出来る1級の資格取得には一定のハードルが設けられております。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は主に、トンネル、橋梁、ダム、河川、鉄道、高速道路などのインフラ工事の設計及び施工管理を行います。
土木施工管理技士も同じく、2級では主任技術者を、1級では監理技術者を担う事ができます。土木工事においては、工事金額が4,000万円を超えると1級を取得している監理技術者が必要となります。
2級土木施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格となります。検定科目は土木工学等、施工管理法、法規に分かれております。
一次試験の合格率、過去5年の施工管理技士の合格率の推移で見ると、平成30年度が最も低く、59.4%で、最も高かったのは令和3年度で72.1%でした。過去5年の合格率を平均すると65.8%となりました。
二次試験では、工事経験の記述問題や土工、コンクリート工、施工管理法などに関しての記述問題が出題されます。
二次試験の過去5年間の合格率の平均値は39.2%ほどで、1次検定と比べると合格率が下がります。
2級土木施工管理技士の勉強時間は、実務経験によって個人差はありますが、50時間~60時間と言われています。1日1時間を勉強時間に充てる場合、2~3ヶ月の学習期間で合格を目指すことが出来ます。
1級土木施工管理技士は一次検定の平均合格率が57.3%、二次試験の平均合格率が35.3%となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、土木工学、施工管理法、法規の3カテゴリに分かれております。
二次試験は施工管理法に関しての記述形式の問題が出題され、得点が60%以上で合格です。
勉強時間の目安としては、1級建築施工管理技士の場合400時間以上の勉強時間が必要とされており、1年以上の時間を掛けて勉強をしていく必要があります。
続いて、受験資格について見ていきましょう。
2級建築施工管理技士の資格は一次検定と二次試験に分けられます。一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。一方二次試験を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
学歴 | 土木施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 |
1級土木施工管理技士は一次検定から受験資格が明記されています。下記に受験資格について記載致します。
区分 | 学歴又は資格 | 土木施工に関する実務経験年数 | ||
指定学科 | 指定学科以外 | |||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 | |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6月以上 | ||
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6月以上 | ||
中卒またはその他の場合 | 15年以上 | |||
ロ | 高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後8年以上の実務経験(その実務経験に指導監督的実務経験を含む+5年以上の実務経験の後専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む) | – | |
ハ | 専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6月以上 |
その他の者 | 13年以上 | |||
ニ | 2級合格者 |
1級土木施工管理技士の二次試験受験資格は複雑ですが、下記のようになっております。
上記の「二」にのみ該当する場合は、一次検定の合格実績のみならず、実務経験が更に必要になります。
イ 1級土木施工管理技術検定・第一次検定の合格者(ただし、前表「ニ」に該当する者として受検した者を除く)
ロ 1級土木施工管理技術検定・第一次検定において、前表「ニ」に該当する者として受検した合格者のうち前表「イ」、「ロ」、「ハ」又は次のⅰ、ⅱのいずれかに該当する者
区分 | 学歴又は資格 | 土木施工の実務経験年数 | ||||
指定学科卒 | 指定学科以外 | |||||
ⅰ | 2級合格後3年以上 | 合格後1年以上の指導監督的実務経験及び専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む3年以上 | ||||
2級合格後5年以上 | 合格後5年以上 | |||||
2級合格後5年未満 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6月以上 | |||
その他 | 14年以上 | |||||
ⅱ | 専任の主任技術者の実務経験が1年以上 | 2級合格者 | 合格後3年以上 | 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上 | ||
合格後3年未満 | 短期大学卒業者・高等専門学校卒業者・専門学校卒業者(「専門士」に限る) | 卒業後7年以上 | ||||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後7年以上 | 卒業後8年6月以上 | ||||
その他 | 12年以上 |
ハ 第一次検定免除者
- 平成28年度から令和2年度にかけて2級土木施工管理技術検定「学科試験」に合格したており、必要な実務経験を満たした者
- 技術士法に基づく第2次試験で特定部門に合格し、一定の検定資格を有する者。改正前の同試験合格者も含む。
- 高等学校または中等教育学校を卒業し、平成27年度までに2級技術検定に合格後、大学を卒業した者が対象。さらに、在学中に特定の学科を学んでいる必要がある。これらの条件を満たす者は、卒業後8年以内に2回連続する実地試験(第二次試験)を受ける資格がある。土木施工管理に1年以上の実務経験も必要。
土木施工管理技士も建築施工管理技士と同じく非常に活用シーンが多い資格となります。資格取得によりキャリアの幅は大幅に広がります。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は配電盤、電力機器、電灯、送電線を始めとした、電気関連の工事における施工計画の作成から施工管理までを行います。
電気工事施工管理技士も1級では監理技術者を、2級では主任技術者を担当することができ、請負代金が4,500万円以上の工事においては1級電気工事施工管理技士が必要となります。
続いて、電気工事施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
2級電気工事施工管理技士の一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格となります。検定科目は電気工学等、施工管理法、法規に分かれております。
一次試験の合格率は、過去5年の合格率を平均すると57.8%となっております。
二次試験では、施工管理法などに関しての記述問題が出題されます。
二次試験の過去5年間の平均合格率は46%ほどで、1次検定と比べると合格率が下がります。
2級電気工事施工管理技士の勉強時間は、実務経験によって個人差はありますが、100時間ほどと言われています。1日1時間を勉強時間に充てる場合、3~4ヶ月の学習期間で合格を目指すことが出来ます。
1級電気工事施工管理技士は一次検定の平均合格率が45.3%、二次試験の平均合格率が66.8%となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、電気工学・電気設備・関連分野の工事(土木・建築・機械等の施工管理に関しての知識)・設計・契約関係・施工管理法(応用能力)・工事施工・法規のカテゴリから出題されます。
二次試験は施工経験・施工管理法・電気設備・法規などに関しての記述形式・選択式の問題が出題されます。
続いて、受験資格について見ていきましょう。
2級電気工事施工管理技士の資格は一次検定と二次試験に分けられます。一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。
一方二次試験を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
学歴・又は資格 | 電気工事施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 | |
第一種・二種・三種電気主任技術者資格の保有者 | 通算1年以上 | |
第一種電気工事士 | 不問 | |
第二種電気工事士 | 通算1年以上 |
1級電気工事施工管理技士の一次検定の受験資格は下記です。
学歴又は資格 | 電気工事施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6月以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 15年以上 | |
第一種・二種・三種電気主任技術者 | 6年以上 | |
第一種電気工事士 | 不問 |
こちらも同じく受験資格が複雑ですが、電気工事関連のプロジェクトでキャリアアップしていきたい方は抑えておくべき資格といえるでしょう。
また、電気工事士や電気主任技術者と言った電気系の資格を保有している場合は、受験要件を満たしやすくなっておりますので、これらの資格を有する場合も是非抑えておくべき資格だと言えるでしょう。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は主に配管工事における施工計画の作成から施工管理までを行います。
配管工事とは主に給水管、排水管、ガス管、冷暖房換気設備、消火設備、廃水処理施設、空気清浄装置などの工事を指します。
管工事施工管理技士においても、1級と2級の違いは主に監理技術者を担えるかどうかで、請負代金が4,500万円以上の工事においては1級の資格者が必要となります。
管工事施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
2級管工事施工管理技士の一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格となります。
検定科目は機械工学等、施工管理法、法規に分かれております。
一次試験の合格率は、過去5年の合格率を平均すると56.6%となっております。
二次試験では、施工管理法などに関しての記述問題が出題されます。二次試験の過去5年間の平均合格率は59.7%ほどです。
2級管工事施工管理技士の勉強時間は、実務経験によって個人差はありますが、120時間ほどと言われています。1日1時間を勉強時間に充てる場合、3~4ヶ月の学習期間で合格を目指すことが出来ます。
二次試験の過去5年間の平均合格率は59.7%ほどです。となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、機械工学・施工管理法(応用能力)・法規などのカテゴリから出題されます。二次試験は施工管理法に関しての記述形式の問題が出題されます。
続いて、受験資格について見ていきましょう。
2級管工事施工管理技士の資格は一次検定と二次試験に分けられます。
一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。一方二次試験を受験する場合は以下のイ、ロの要件を満たしている必要があります。
イ 2級管工事施工管理技術検定・第一次検定の合格者で、次のいずれかに該当する者
学歴又は資格 | 管工事施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外の卒業者 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6ヶ月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 | |
技能検定合格者 | 4年以上 |
ロ 第一次検定免除者
- 平成28年度以降に学科試験に合格し、第一次検定を除く2級管工事施工管理技術検定の第二次試験受検資格を持つ者は、合格年度の初日から12年以内に2回受検可能
- 技術士法の第二次試験で、特定の機械部門や上下水道部門などに合格し、第一次検定を除く2級管工事施工管理技術検定・第二次試験の受検資格を有する者
- 高等学校や中等教育学校卒業後、平成27年度までの2級技術検定に合格し大学卒業者で、学校・大学在学中に特定学科を修了し、卒業後8年以内の2回の実地試験(第二次試験)受検資格があり、管工事施工管理の1年以上の実務経験がある者
1級管工事施工管理技術検定の一次検定受験資格は以下のイ、ロ、ハ、ニ、ホのいずれかに該当しているかどうかになります。
区分 | 学歴又は資格 | 管工事施工の実務経験年数 | ||
指定学科卒 | 指定学科以外卒業後 | |||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヶ月以上 | |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヶ月以上 | ||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6月以上 | ||
中卒またはその他の場合 | 15年以上 | |||
ロ | 技能検定合格者 | 10年以上 | ||
ハ | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 8年以上の実務経験(指導監督的実務経験を含む+5年以上の実務経験の後、監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上) | – | |
ニ | 主任技術者の経験が1年以上ある者 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6ヶ月以上 |
その他の者 | 13年以上 | |||
ホ | 2級合格者 |
1級管工事施工管理技士の二次試験受験資格は下記のようになっております。
次のイ、ロ、ハのいずれかに該当する者
イ. 1級管工事施工管理技術検定・第一次検定の合格者 (ただし、前表ホに該当する者として受検した者を除く)
ロ. 1級管工事施工管理技術検定・第一次検定において、前表ホに該当する者として受検した合格者のうち前表イ、ロ、ハ、ニまたは次のⅰ、ⅱのいずれかに該当する者
区分 | 学歴又は資格 | 管工事施工の実務経験年数 | ||||
指定学科卒 | 指定学科以外卒業後 | |||||
ⅰ | 2級合格後3年以上 | 合格後1年以上の指導監督的実務経験+専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含めた3年以上 | ||||
2級合格後5年以上 | 合格後5年以上 | |||||
2級合格後5年未満 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヶ月以上 | |||
その他の者 | 14年以上 | |||||
ⅱ | 専任の主任技術者の実務経験が1年以上 | 2級合格者 | 合格後3年以上の者 | 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上 | ||
合格後3年未満の者 | 短期大学卒業者/高等専門学校卒業者/専門学校卒業者 | 前表イの区分 | 卒業後7年以上 | |||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後7年以上 | 卒業後8年6ヶ月以上 | ||||
その他の者 | 12年以上 |
ハ. 第一次検定免除者
- 技術士法第二次試験で特定の技術部門(機械、上下水道、衛生工学、総合技術監理部門など)に合格し、特定の選択科目を対象とする者、及び平成15年の改正前の試験合格者も含め、1級管工事施工管理技術検定・第二次試験の受検資格を有する者。
受験資格は複雑ですが、管工事施工管理技士を取得する事で、建設には欠かす事の出来ない工事の施工管理を行うことが出来る様になり、キャリアの可能性を更に広げることが可能となります。
造園施工管理技士
造園施工管理技士は公園や緑地、遊園地、公共施設や民間マンション、企業ビル、屋外レジャー施設などの造園工事の施工管理を行います。
2級造園施工管理技士は元請け及び下請け関係なく、総額4,000万円未満の工事現場において、主任技術者として施工管理を行うことが出来ます。
1級を取得すると、総額4,000万円以上の工事の監理技術者として施工管理を行えます。
造園工事施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
2級造園工事施工管理技士の一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格となります。検定科目は土木工学等、施工管理法、法規に分かれております。
2級の一次試験の合格率は、過去5年の合格率を平均すると54.4%となっております。
二次試験では、施工管理法などに関しての記述問題が出題されます。
2級の二次試験の過去5年間の平均合格率は40.2%ほどです。
2級造園工事施工管理技士の勉強時間は、実務経験によって個人差はありますが、120時間ほどと言われています。1日1時間を勉強時間に充てる場合、3~4ヶ月の学習期間で合格を目指すことが出来ます。
1級造園工事施工管理技士は一次検定の平均合格率が39.6%、二次試験の平均合格率が40.1%となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、土木工学等、施工管理法(知識能力)・法規などのカテゴリから出題されます。二次試験は施工管理法に関しての記述形式の問題が出題されます。
続いて、受験資格について見ていきましょう。
2級造園工事施工管理技士の資格は一次検定と二次試験に分けられます。一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。
一方二次試験を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
学歴又は資格 | 造園施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外の卒業者 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 | |
技能検定合格者 | 4年以上 |
上記の他に、第一次検定免除者は一次検定を受けずに二次試験に進むことが可能です。
下記に該当する場合は一次検定が免除されます。
1)平成28年以降の学科試験に合格し、第一次検定除く2級造園施工検定の受検資格あり、合格年度初日から12年以内に2回第二次試験を受ける者。
2)昭和58年の技術士法に基づく第二次試験合格者(特定の選択科目を持つ建設、農業、森林部門や総合技術監理部門)で、第一次検定除く2級造園施工検定の受検資格を持つ者。この定義は平成15年と29年の技術士法施行規則改正前にも適用される者。
3)高等学校または中等教育学校卒業後、平成27年度までの2級技術検定に合格し、特定学科を修めた大学卒業者で、卒業後8年以内の2回の実地試験(第二次試験)受検を予定し、造園施工管理において1年以上の実務経験がある者。
1級造園工事施工管理技術検定の一次検定受験資格は以下のイ、ロ、ハ、ニ、ホのいずれかに該当しているかどうかになります。
区分
|
学歴又は資格
|
造園施工に関する実務経験年数 | ||
指定学科の卒業者 | 指定学科以外の卒業者 | |||
イ
|
大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 | |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6月以上 | ||
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6月以上 | ||
その他の者 | 15年以上 | |||
ロ | 技能検定合格者 | 10年以上 | ||
ハ | 高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後8年以上の実務経験(その実務経験に指導監督的実務経験1年以上を含み、かつ、5年以上の実務経験の後専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む) | – | |
ニ
|
専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
|
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6月以上 |
その他の者 | 13年以上 | |||
ホ | 2級合格者 |
1級管工事施工管理技士の二次試験の受験資格は下記のようになっております。
次のイ、ロ、ハのいずれかに該当する者
イ. 第一次検定の合格に合格したもの (ただし、上記のホに該当する者として受検した者を除く)
ロ. 第一次検定で、前表ホに該当し受検、合格した者の中で、前表イ、ロ、ハ、ニまたは次のⅰ・ⅱいずれかに当てはまる者
区分
|
学歴又は資格
|
造園施工に関する実務経験年数 | ||||
指定学科の卒業者 | 指定学科以外の卒業者 | |||||
ⅰ
|
2級合格後3年以上 | 合格後1年以上の指導監督的実務経験及び専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む3年以上 | ||||
2級合格後5年以上 | 合格後5年以上 | |||||
2級合格後5年未満
|
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6月以上 | |||
その他 | 14年以上 | |||||
ⅱ
|
専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者
|
2級合格者
|
合格後3年以上 | 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上 | ||
合格後3年未満
|
短期大学・高等専門学校卒業者 専門学校卒業者(「専門士」に限る) |
卒業後7年以上 | ||||
高等学校、中等教育学校(中高一貫校)、専門学校卒 | 卒業後7年以上 | 卒業後8年6月以上 | ||||
その他 | 12年以上 |
ハ. 第一次検定免除者
- 昭和58年の技術士法に基づく第二次試験で、建設、農業、森林部門など特定の選択科目で合格し、1級造園施工管理技術検定の第二次試験受検資格を持つ者。特定の部門と科目に限り、平成15年及び29年の文部科学省令改正前の試験合格者も含む。
受験資格は複雑ですが、造園施工管理技士は比較的取得がしやすい資格として挙げられます。
建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は建設機械を使った工事における施工管理が出来る資格です。
ある程度規模の大きな工事では、建設機械を活用することが一般的です。建設や土木の施工管理技士の資格と比べ、実務経験が少なくても資格の取得が狙える点も特徴です。
2級建設機械施工管理技士の資格は1種から6種まで分かれております。種類によって扱える建設機械が変わってきます。以下に種別ごとに扱える機械について説明します。
種類 | 取り扱える機械 |
1種 | ブルドーザー |
2種 | 油圧ショベル |
3種 | モーターグレーダー |
4種 | ロードローラー |
5種 | アスファルトフィニッシャ |
6種 | アースオーガ |
1級建設機械施工管理技士の資格を取得すると、上記6種全ての機械を用いた建設施工管理を行うことが出来ます。
その他にも建設機械施工管理技士は土木一式工事を請け負う事が可能です。
建設機械施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
2級建設機械施工管理技士の一次検定は学科試験で、マークシート形式での出題となっており、正答率60%以上で合格となります。
検定科目は土木工学等、建設機械原動機、石油燃料、潤滑剤、建設機械施工法、法規に分かれております。
2級の一次試験の合格率は、過去5年の合格率を平均すると48.1%となっております。
二次試験では、施工管理法などに関しての記述問題が出題されます。
2級の二次試験の過去5年間の平均合格率は78.4%となっております。
1級建設機械施工管理技士は一次検定の平均合格率が25.4%、二次試験の平均合格率が62.2%となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、土木工学等、建設機械原動機、石油燃料、潤滑剤、建設機械施工法、法規などのカテゴリから出題されます。
二次試験は記述問題と実技試験を通した、実際の現場での機械の操縦知識も問われます。
2級建設機械施工管理技士の資格は一次検定と二次試験に分けられます。
一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。一方二次試験を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
区分 | 最終学歴 | 建設機械工事の実務経験年数 | |
指定学科卒業 | 指定学科以外卒業 | ||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上(うち受検種別に6ヶ月以上) | 卒業後1年6ヶ月以上(うち受検種別に9ヶ月以上) |
ロ | 短大や専門学校卒 | 卒業後、受検種別に1年6ヶ月以上、または卒業後2年以上(うち受検種別に1年以上) | 卒業後、受検種別に2年以上、または卒業後3年以上(うち受検種別に1年6ヶ月以上) |
ハ | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後、受検種別に2年以上、または卒業後3年以上(うち受検種別に1年6ヶ月以上) | 卒業後、受検種別に3年以上、または卒業後4年6ヶ月以上(うち受検種別に2年3ヶ月以上) |
ニ | その他 | 受検種別に6年以上、または8年以上(うち受検種別に4年以上) |
上記の他に、第一次検定免除者は一次検定を受けずに二次試験に進むことが可能です。
1級建設機械施工管理技士の受験資格は以下です。
イ. 学歴又は資格により下記のいずれかに該当する者。
学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学/専門学校卒 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
短大や専門学校卒 | 5年以上 | 7年6ヶ月以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 10年※以上 | 11年6ヶ月※以上 |
その他 | 15年 |
ロ. 2級建設機械施工管理技術検定 合格者
学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
高等学校/専門学校卒 | 2級種別の一つの経験が2年以上で、他の種別を通算して8年、または2級種別の経験が1年半~2年の間で,他種別と通算で9年 | ・2級種別の一つの実務経験が3年以上で、他種別と通算で9年または2級種別の経験が2年3ヵ月~3年未満で、他種別と通算して10年半 |
その他 | 2級種別のどれかしらの実務経験が6年以上で、他種別と通算で12、または2級種別の経験が4年~6年で他種別と通算して14年 | |
2級合格後の3年以上 | 専任の監理技術者による指導を受けており、実務経験2年を含めて、3年以上 | |
2級合格後の5年以上 | 合格後5年以上 |
ニ. 実務経験に指導監督的実務経験が1年以上でかつ、5年以上の実務経験があり、専任の監理技術者による指導を受けた年数が2年以上ある者
学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
高等学校又は専門学校卒 | 8年以上 | ― |
このように、決して簡単な資格ではありませんが、資格を取ることで大型工事では確実に必要になる建設機械を利用した施工管理が出来るようになり、キャリアの幅も更に広がっていきます。
電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は電気通信工事の施工管理を行います。電気通信工事とは主に、固定電話の回線工事、携帯電話の回線工事、インターネットの回線工事などを指します。
携帯会社の基地局設置や、電波障害への対応なども電気通信工事施工管理技士が行います。昨今の5Gの普及やインターネット通信総量の増加及び高速化によって、需要が高まってきております。
電気通信工事施工管理技士も同じく1級と2級があり、2級のみであれば主任技術者として4,500万円未満の工事の施工管理ができ、1級の資格保有者であれば、4,500万円以上の工事において監理技術者として従事することが出来ます。
電気通信工事施工管理技士の資格取得の難易度や合格率についても見ていきましょう。
2級電気通信工事施工管理技士の一次検定は学科試験で、マークシート形式となっており、正答率60%以上で合格となります。検定科目は電気通信工学等、施工管理法、法規に分かれております。
2級の一次試験の合格率、過去4年の合格率を平均すると61.7%となっております。
二次試験は、施工管理法に関しての記述問題となっております。
2級の二次試験の過去4年間の平均合格率は42.3%ほどです。
2級電気通信工事施工管理技士の勉強時間は、実務経験によって個人差はありますが、80時間ほどと言われています。1日1時間を勉強時間に充てる場合、3~4ヶ月の学習期間で合格を目指すことが出来ます。
続いて1級電気通信工事施工管理技士について見ていきましょう。1級電気通信工事施工管理技士の過去4年の合格率の平均は一次検定が50.0%、二次試験が41.7%となっております。
一次検定は、マークシート形式となっており、種別としては、電気通信工学等、施工管理法(知識・能力)・法規などのカテゴリから出題されます。二次試験は施工管理法に関しての記述形式の問題が出題されます。
2級電気通信工事施工管理技術検定は一次検定と二次試験に分けられます。
一次検定は17歳以上であれば誰でも受験資格が満たされます。一方二次試験を受験する場合は以下の要件を満たしている必要があります。
学歴 | 電気通信工事施工の実務経験年数 | |
指定学科卒 | 指定学科以外の卒業者 | |
大学/専門学校卒 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6月以上 |
短大や専門学校卒 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 |
中卒またはその他の場合 | 8年以上 | |
電気通信事業法(昭和59年法律第86号)による電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている | 1年以上 |
ロ 第一次検定免除者
- 令和元年度以降に学科試験に参加し、合格した者で、2級電気通信工事施工管理技術検定の第一次検定は除き、第二次試験の受験資格を持つ者(該当合格年度の始まりから数えて12年以内に、第二次試験を連続して2回受けることができる)。
- 技術士法の下での第二次試験で、電気電子部門または総合技術監理部門(選択科目が電気電子部門に関連するものに限定)に合格した人々の中で、2級電気通信工事施工管理技術検定の第一次検定を除き、第二次試験の受検資格を持つ者。
1級電気通信工事施工管理技術検定の一次検定受験資格は以下のイ、ロ、ハ、ニ、ホのいずれかに該当しているかどうかになります。
区分 | 学歴又は資格 | 電気通信工事施工の実務経験年数 | ||
指定学科卒 | 指定学科以外 | |||
イ | 大学/専門学校卒 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6月以上 | |
短大や専門学校卒 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6月以上 | ||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6月以上 | ||
中卒またはその他の場合 | 15年以上 | |||
ロ | 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)による電気通信主任技術者資格者証の交付を受けた者 | 6年以上 | ||
ハ | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後8年以上の実務経験(その実務経験に指導監督的実務経験1年以上を含み、かつ、5年以上の実務経験の後専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む) | ||
ニ | 主任技術者の経験が1年以上ある者 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後8年以上 | 卒業後9年6月以上 |
その他の者 | 13年以上 | |||
ホ | 2級の第二次試験に合格した者 |
1級電気通信工事施工管理技士の二次試験の受験資格は下記のようになっております。
次のイ、ロ、ハのいずれかに該当する者
イ. 第一次検定の合格者(ただし、上記ホに該当する者として受検した者を除く)
第一次検定において、上記ホに該当する者として受検した合格者のうち上記イ、ロ、ハ、ニ又は次のⅰ、ⅱのいずれかに該当する者
区分 | 学歴又は資格 | 電気通信工事施工の実務経験年数 | ||||
指定学科 | 指定学科卒以外 | |||||
ⅰ | 2級第二次試験合格後3年以上の者 | 合格後1年以上の指導監督的実務経験及び専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む3年以上 | ||||
2級第二次試験合格後5年以上の者 | 合格後5年以上 | |||||
2級第二次試験合格後5年未満の者 | 高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6月以上 | |||
その他の者 | 14年以上 | |||||
ⅱ | 主任技術者の経験が1年以上ある者 | 2級第二次試験合格者 | 合格後3年以上の者 | 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上 | ||
合格後3年未満の者 | 短期大学・高等専門学校卒業者専門学校卒業者(「専門士」に限る) | 卒業後7年以上 | ||||
高等学校・中高一貫校・専門学校卒 | 卒業後7年以上 | 卒業後8年6月以上 | ||||
その他の者 | 12年以上 |
ハ. 第一次検定免除者
- 昭和58年の技術士法に基づく第二次試験で、技術部門のうち電気電子部門か総合技術監理部門(選択科目が電気電子部門関連のみ)に合格し、1級電気通信工事施工管理技術検定の第一次検定は除外されるが、第二次試験の受検資格を持つ者
施工管理技士の平均年収
施工管理技士の年収相場は資格を取得する事で向上していきます。厚労省が展開している職業情報提供サイト「jobtag」によると、建築施工管理技士の平均年収は620万円、土木施工管理技士の平均年収は573万円と日本の平均年収443万円を100万円以上も上回る平均年収となっています。
一方で施工管理技士は人によって年収の幅が広く、経験が豊富な施工管理技士は年収が1,000万円を超えるケースもあります。
逆に駆け出しの施工管理技士の場合は年収が300万円前後となる場合もあります。スキルを身に着けていく事で、年収を上げるキャリアの選択肢が有るため、努力が報われやすい業界とも言えます。
施工管理技士の今後の業界展望
建設業界は現在深刻な人手不足と高齢化が問題となっています。
施工管理技士は2022年時点で4.1万人不足しており、高齢化の影響で今後更に不足人数が増えていくと言われています。施工管理技士の55歳以上の比率は36%を超えており、20代の比率は11.8%と低迷しています。
一方建設の需要は変わらず高い水準が保たれています。
バブル期に建てられた建造物のメンテナンスや、リニア開通、大阪万博などによる建設需要が高まっており、今後も建設需要は高い水準で保たれていくと言われています。
この様な状況からも施工管理技士の需要はますます増えていくと考えられており、業界の平均給与も上がっていく可能性が高いです。
施工管理技士の1日の流れ
続いて、施工管理技士の1日の流れについても見ていきましょう。
・7:00:出勤、朝礼に向けた準備
・8:00:朝礼
・8:30:工事開始、現場巡回、職人との施工エリアの打ち合わせ
・10:00:メーカー打ち合わせ・予算管理
・12:00:昼休憩
・13:00:昼礼、現場巡回
・14:00:施工図制作
・15:00:社内打ち合わせ
・17:30:工事終了
・20:00:事務作業、翌日作業段取り、退勤
上記はあくまでサンプルであり、日によって業務内容は異なります。
また、現場巡回、各社打ち合わせ、事務作業(書類関係)の業務比率もプロジェクトによっても異なります。
施工管理技士に向いている人
施工管理技士は同じ職場の方だけでなく、様々な業種の方と一緒に工事・プロジェクトを進めていくため、密なコミュニケーションが欠かせません。
現場の秩序を守ことができない方がいると統率が取れなくなり、建設現場での場の雰囲気が乱れてしまいます。
ここからは、施工管理技士として働くことが向いている方の特徴を紹介します。
- コミュニケーションが好きな人
- 責任感が強い人
- トラブルが起きても落ち着いて対処できる人
- 社会貢献がしたいと考えている人
コミュニケーションが好きな人
施工管理技士の仕事は施工主や発注者との条件面の調整や職人との信頼関係を構築し、スムーズに工程を進めていく能力が求められます。
チームで力を合わせて目標に向かっていくのが好きな人や、人との繋がりを感じながら仕事をしたい人にとって施工管理の仕事はとてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。
責任感が強い人
施工管理技士の仕事は四大管理と呼ばれる管理が必要でその分責任が伴います。
また、施主や発注者との信頼関係を築く上で強い責任感とリーダーシップを持つことが重要です。
施工不良が後に明るみに発生し、報道対象となったり、企業間の裁判にまで発展してしまうケースもあります。
人々の暮らしを支えるインフラを作る仕事として、社会的意義を理解し、責任感を持って仕事に向き合うことが求められます。
トラブルが起きても落ち着いて対処できる人
施工管理技士の仕事には大小のトラブルはつきものです。
経験を積むことで、危険を察知して先回りする能力や、万一トラブルが発生してしまった際も、各方面と上手く調整が出来る能力が重要です。
また、トラブルが起こった際に気負いすぎずに気持ちを切り替え、その後に引きずらないメンタルも長期的な目線で見ると重要になってきます。
社会貢献がしたいと考えている人
施工管理技士の仕事で最もやりがいを感じる瞬間はなんといっても自分の行った仕事が地図に残り、次世代に引き継がれていく仕事です。
自分が作った建設物を通して、人々の生活に多大なる影響を与える事が出来ます。
社会に貢献出来ている実感を感じられる瞬間が最もやりがいを感じると語る施工管理技士も多いです。
施工管理技士に向いていない人
施工管理は様々な業務を行い、長時間の勤務になりやすいことも事実です。
さらに、建造物の安全性は人命に関わる責任が伴うため、体力面だけでなく精神面でもきついと感じる方も少なくないです。
【施工管理技士に向いていない人の特徴】
- コミュニケーション力が低い・マネジメントが苦手な人
- 気が弱い人・抱え込みやすい人・真面目すぎる人
- パソコンや機械が苦手な人
- 体が弱い人
コミュニケーション力が低い・マネジメントが苦手
施工管理技士の仕事は大半がコミュニケーションの仕事とも言えます。また、職人や作業員と年齢差が有ることも少なくないため、現場での関係構築にはコミュニケーションスキルが重要な役割を占めます。コミュニケーション自体があまり好きでないという方や人と接するのが好きでない方は施工管理技士に適任とは言えないでしょう。
また施工管理の四大管理を遂行していく上で、プロジェクトマネジメントや人のマネジメントを円滑に行う必要があり、人のマネジメントが苦手な人は施工管理に向いていいないと言えるでしょう。
気が弱い人・抱え込みやすい人・真面目すぎる人
施工管理のしごとにトラブルはつきものであり、その都度引きずってしまっていていては施工管理の仕事は務まりません。真面目さや責任感は重要ではあるものの、良い意味で楽観視する力も施工管理に求められる特性の一つです。
また、気が弱く、優しすぎることも施工管理技士にとっては弱みとなってしまう可能性があります。特に職人やゼネコンとの交渉ごとに置いて、優しいだけでは、仕事を無理に押し付けられてしまう可能性もあります。
パソコンや機械が苦手な人
施工管理は事務仕事が多くの割合を占めているため、パソコンを触るのが苦手という人には向いていないかもしれません。仕事内でのパソコン使用経験は必須条件ではありませんが、パソコン自体に強い苦手意識を持っている人は施工管理には向いていません。
体が弱い人
施工管理の仕事は現場に出ることも多いです。そのため夏は暑く、冬は寒い環境に身を置きながら仕事をする必要があります。そのため施工管理技士には体力や体の強さも求められます。
施工管理技士の魅力
施工管理技士は厳しい面もありますが、求人倍率が全業界の中でも圧倒的に高いことが特徴です。
さらに、今後も建設需要が高くなることが予想されており、高い年収を獲得することも期待できます。
手に職を付けられる
施工管理技士の魅力の一つは手に職をつけられる事です。建設需要がなくなる可能性は極めて低いといえる中で、施工管理技士の資格を持っていることで転職市場における価値は非常に高くなります。建設・土木の業界は求人倍率が5倍と全業界の中でも圧倒的に求人倍率が高いです。そのため、一度建設業界でスキルを身につけることが出来れば、退職後も職に困ることはほとんどないと言えるでしょう。
高い年収を獲得することが出来る
施工管理技士の平均年収は全業界の平均年収よりも高いです。また、施工管理技士の仕事は経験を積むことで、1000万円近くまで高めることも可能です。
平均年収で見ると、20代では360万円~480万円、30代では600万円から680万円、40代では710万円~740万円、50代では770万円となっており、経験を積むことにより20代から40代に掛けて年収を倍程度伸ばすことが可能です。
専門職の人手不足により企業としても賃金を上げて行かざるを得ず、今後更に賃金水準は上がっていく可能性が高いです。
社会貢献の実感を得ることが出来る
施工管理技士は人々の暮らしを支え、現代の建築技術を未来につなげることが出来る貴重な役割を担います。施工管理技士は街のランドマークとなる建物の建設に関わることもできます。自分が携わった建築物がその後も人々の生活に影響を与え続けます。
まとめ
施工管理技師の仕事は社会のインフラを支える上で必要不可欠な仕事です。責任重大で決して簡単な仕事ではないですが、その分施工が完了した時の達成感やその後の社会への貢献は計り知れません。全産業の中で比較しても十分に高い給与を得ることもでき、さらに長期的にも需要があり続ける職種であるため、安定して収入を得続けることができる仕事だと言えるでしょう。
この記事が施工管理技士に対する理解をいただく為の一助になれば幸いです。