現在の日常生活において、電気は欠かせないインフラの1つです。
電気を使用するために高圧受電装置の保守や管理・点検をするため、必要な資格が電気主任技術者で電験とも呼ばれます。
技術系国家資格の一つで、専門性を磨けること業界全体が人材不足ということもあり、需要は高く再就職や転職に活かせると人気の資格の一つです。
厚生労働省によると、電気主任技術者の平均年収は619万円で、日本全体の平均年収が461万円であることを考えると高い給与水準であるといえます。
電気主任技術者に中には、年収1,000万円を超えている人もいるため、高い給与を狙う方からも検討されたり人気です。
電気主任技術者で年収1,000万円を狙える?
電気主任技術者で年収1000万円を狙えるか気になりますよね。
結論として、電気主任技術者は立ち位置や保有資格、実務経験によれば年収1000万円を狙えます。
本記事では、年収1000万円を狙うために何をすればいいのかや取るべき資格、求められる経験を紹介していきます。
電気主任技術者で年収1,000万円を狙うためには
電気主任技術者で年収1,000万円を狙うことは可能ですが、年収1,000万円を達成している人がどういった人で、現状の自分のスキルセットを把握することが大切です。
自分のスキルセットを確認することで、今どういったスキルが足りていないのか確認できるため、状況別で電気主任技術者が年収1,000万円を狙うための方法を紹介していきます。
- 電気主任技術者で年収1000万円を達成している割合
- 何年目の電気主任技術者で年収1000万円を達成できる
- 電気主任技術者で年収1000万円を目指すために
電気主任技術者で年収1000万円を達成している割合
電気主任技術者で年収1000万円を達成しているのは数十%程だと推測されます。
割合が少ない理由としては、年収1000万円を達成するには難易度が高い以下のどちらか一方の電気主任技術者となる必要があるからです。
- 会社員の電気主任技術者は電験1種を取得し、組織をマネジメントする立場になる
- 実務経験を積み電気管理技術者を取得した上で独立し、年収を1000万円まで上げる。
電験1種を取得している会社員の平均年収は600〜800万円であり、年収1000万円を達成しているのは組織をマネジメントしている立場と考えられます。
規定の実務経験を積み、電気管理技術者の資格を取得した上で独立した場合は、電験3種の資格保有者の平均年収が600〜1000万円と高収入が期待できます。
しかし、独立した場合でも年収1000万円を確実に達成するためには、業務の範囲を広げることや現場でのマネジメント経験や電気工作物の工事、維持、運用に関する豊富な知識、電験3種、2種保有者は上位資格が必要になります。
現場での多数の実務経験やマネジメント経験を積んでいる人、上位資格を所有している割合は少ないとみられ、以上のことから電気主任技術者で年収1000万円を達成しているのは数10%ほどだと推測されます。
何年目の電気主任技術者で年収1000万円を達成できる?
電気主任技術者が年収1000万円を達成するためには最短でも6〜10年ほどの期間が必要です。
電気主任技術者として年収1,000万円を達成するためには、規定の実務経験年数や電気工作物の工事・維持・運用に関する豊富な知識・電験3種や2種などの上位資格が必要となります。
電気主任技術者の資格を取得するためには特定年数の実務経験を積む必要があり、電験1種・2種・3種でそれぞれ以下のようになっています。
- 電験1種・・・3年
- 電験2種・・・4年
- 電験3種・・・5年
電気管理技術者取得後は現場でのマネジメント業務などの実務経験を積むと同時に電験3種、2種保有者は上位資格を取得していきます。
その後は業務を行なっていくうちに年収1000万円は達成でき、電験1種を取得していると業務の幅が広がるため、取得してから独立すると年収1000万円の達成はより現実的になります。
会社員の電気主任技術者として年収1000万円を達成するためには、電験1種を取得したうえで組織のマネジメントをする立場になる必要があり、会社員の出世街道を行くための長い期間が必要となります。
電気主任技術者で年収1000万円を目指すために
結論として電気主任技術者で年収1000万円を目指すために必要な資格、経験年数は以下の通りです。
- 会社員の電気主任技術者は電験1種と組織のマネジメント力
- 電気管理技術者(電験1種は3年、電験2種は4年、電験3種は5年の実務経験)
- 電気管理技術者取得後、3~5年の実務経験、電験3種、2種保有者は上位資格
年収1000万円を達成している電気主任技術者は数十%と少なく、難易度が高い印象を受けてしまいます。
しかし、電験1種や電気管理技術者などの資格の取得や実務経験、電気工作物の工事、維持、運用に関する豊富な知識があれば達成できます。
年収1000万円を達成するためには、時間をかけて努力することが大切です。
電気主任技術者未経験の年収はどのくらい
一般的に電気主任技術者の資格保有者は年収が高いと言われていますが、電気主任技術者未経験の年収はどのくらいなのか気になるところです。
本章では電気主任技術者未経験の年収に関して以下の通りに紹介していきます。
- 未経験の電気主任技術者の平均年収
- 未経験の電気主任技術者が年収を上げるために
順に紹介していきます。
未経験の電気主任技術者の平均年収
未経験の電気主任技術者は、会社員として働くことになります。
未経験の電験1種〜3種の平均年収は以下の通りです。
- 電験1種・・・600万円
- 電験2種・・・400万円
- 電験3種・・・300万円
電験一種はもっとも資格の難易度が高く、対応できる業務の幅が広いことから平均年収が最も高い特徴です。
しかし、難易度が高く担当できる業務の幅が広がるため、企業からの需要も高く年収が高い傾向になります。
電気主任技術者の強みは年収の面で顕著に表れることがわかります。
未経験の電気主任技術者が年収を上げるために
未経験の主任技術者が年収を上げるために取り組むべきことは以下の通りです。
- 電験1種を取得する
- 関連資格を取得する
電験1種を取得することで、対応できる業務の幅が広がることから、平均年収が2種や3種と比べて200万〜300万円ほど上がります。
さらに電験1種は難易度が高く資格保有者が少ないのにも関わらず、メーカーや建設業界を中心に需要が高いことから転職活動で有利になります。
電験1種を取得していることで、より待遇のいい会社へ転職することが可能となります。
電気工事士などの関連資格を取得することも年収を上げることにつながります。
関連資格を取得することでさらに資格手当を支給され年収が上がります。年収を上げることに必要な電気工作物の工事、維持、運用に関する豊富な知識を身に付けるためにも役立つでしょう。
年収1,000万円の電気主任技術者が求められやすいこと
本章では年収1000万円を達成した電気主任技術者にはどのようなことが求められるのかを経験や資格の面から以下の通りに紹介します。
- 組織のマネジメント経験
- メーカーでの勤務経験
- 電験3種の資格
一見、電気主任技術者の年収に関連しているように思えませんが、非常に大切なことです、順に紹介していきます。
組織のマネジメント経験
年収1000万円の電気主任技術者に組織のマネジメント経験が求められる理由は以下の通りです。
- 自らの価値を高めキャリアアップにつなげられる
- 独立し会社を大きくするうえで役に立つ
会社員の電気主任技術者は組織をマネジメントする経験を積むことで自らの価値を高め、さらに条件の良い会社への転職やキャリアアップへとつながります。
組織のマネジメント経験は、独立してからも役に立ちます。
独立後は個人事業主として業務にあたることになりますが、業務拡大で社員を雇うことになったらマネジメント経験が役に立ちます。会社を大きくすることで更に年収を上げることができます。
以上のことから、年収1000万円の電気主任技術者には組織のマネジメント経験が求められます。
メーカーでの勤務経験
年収1000万円の電気主任技術者がメーカでの勤務経験が求められる理由は以下の通りです。
- 実務経験に該当する業務に携われる
- ものづくりの原点に関われる
メーカーでは、実務経験に該当する業務である500V以上の電気工作物の工事、維持、運用に携わる業務に従事できる可能性が高くなります。
実務経験に該当する業務に携わることで電気管理技術者取得へ大きく前進でき、年収1000万円を目指せます。
さらにメーカーに勤務していることで、研究開発や設計開発、生産技術や品質保証などものづくりの原点に関われます。
ものづくりの原点と関わり知識を深めることは工事、維持、運用のあらゆる面で役に立ちます。
例えば、独立してから高圧電気設備の負荷試験を行う際、メーカーで高圧電気設備を扱った経験があれば、一つ一つの作業を初見の作業員より早く終わらせられます。
メーカーに勤務した経験が作業時間の短縮につながり、その結果受注件数を増やすことで年収1000万円へと導いてくれるでしょう。
以上のことから電気主任技術者となるためにはメーカーでの勤務経験が求められます。
電験3種の資格
電験3種は電気主任技術者のなかでも平均年収が一番低く、携われる業務の範囲も一番狭いです。
しかし、電験3種に関しても合格率は10%程度と難易度は高いのに対し、メーカーや建設業界を中心に需要は高いです。
電験3種を取得していれば、実務経験を積むことで電気管理技術者になり、独立して年収1000万円を目指せます。
さらに、電験3種を土台にして電験2種、1種の上位資格を取得すると会社員であっても年収を上げられます。
電験3種の資格を取得することは年収1000万円の電気主任技術者になるためのスタートラインとなるため、非常に重要な資格となります。まずスタートラインに立てるように勉強して電験3種の資格を取得しましょう。
電気主任技術者として年収を上げるための方法
これまで電気主任技術者の年収や必要な資格・経験を紹介してきましたが、本章では電気主任技術者として年収をあげる方法について以下の通り紹介していきます。
- 第一種電気主任技術者の資格をとる
- 実務経験を増やす
- 電気主任技術者に関連する資格を取得する
順に紹介していきます。
第一種電気主任技術者の資格をとる
電気主任技術者の中でも、第一種電気主任技術者はすべての事業用電気工作物について、保安監督業務に携わることができるため年収が上がります。
試験の難易度は高くなりますが、電気主任技術者として従事できる業務の幅を広げ、自らの価値を高めて年収を上げるためには第一種電気主任技術者の取得が必須となります。
電気管理技術者取得後に独立をした際、電験1種を取得していると、業務の幅が広いため、2種や3種を取得して独立した電気管理技術者より年収が上がります。
メーカーなどに在籍しているうちは資格取得のための受験費用などを負担してくれる場合があるため、独立前に電験1種を取得するのがいいでしょう。
実務経験を増やす
年収を上げるためには実務経験を増やし、知識や技術を身に付けることが必要です。
実務経験を積めば電気管理技術者の資格を取ることができますが、その後独立しても電気工作物の工事、維持、運用に関する知識や技術がないと仕事を受注することはできません。
メーカーなどに勤務し実務経験を増やすことが年収を上げるための一歩となります。
年収を上げるためには資格だけではなく、電気工作物の工事、維持、運用に関する知識や技術を身に付け、評価をされることで仕事を受注していかなければなりません。
実務経験を増やすことは年収を上げることに直結しています。
電気主任技術者に関連する資格を取得する
電気主任技術者を取得している多くの技術者は関連する資格を取得しています。
実際にはは「電気工事士」「エネルギー管理士」「消防設備士」などです。一見電気主任技術者とは関係ないように思えるエネルギーや消防などの分野は電気主任技術者に大いに関係があります。
電気主任技術者が従事する業務として500V以上の電気工作物の工事、維持、運用がありますが、特に運用業務でエネルギーや消防関連の知識はに役立ちます。
年収を上げるためには知識や技術を身に付けることが必要と述べたように、知識を深めていくことは年収を上げることに直結しています。知識を深めるために関連資格の取得は重要となります。
まとめ
本記事では電気主任技術者で年収1,000万円は狙えるのか?実際に電気主任技術者で年収1,000万円を達成している人のスキルセットや特徴を紹介してきました。
電気主任技術者の平均年収は619万円で、日本全体の平均年収の461万円に比べ高い給与水準であるといえます。
その中でも電験一種を取得している人には年収1,000万円を達成している人も多く、実務経験や関連資格の取得・マネジメント経験を積むことで目指せます。