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塗装業の一人親方の年収は?年収を増やす方法や独立までの流れをご紹介!

塗装業は、塗装を専門に扱う技術職であり、建設業界において建物を完成させるうえで必要不可欠な存在です。

そんな塗装業は、特別な資格が無くても開業できることから、建設業界の中でも特に、独立して一人親方として働く方が多い職種です。

塗装業の一人親方として安定して生活するためには、平均的な年収や独立の流れなどを詳しく知る必要があります。

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そこで、塗装業の方が一人親方として独立した場合の年収、独立するメリット・デメリットなどについて、解説していきます。

塗装業:一人親方の年収

まずは塗装業の一人親方として働いた場合、どれくらいの年収が見込めるのか解説していきます。

塗装業の平均年収を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

塗装業一人親方の年収相場

塗装業で正社員として働く方の年収の全国平均は、約420万円です。

塗装業に従事する正社員の地域ごとの年収は以下の通りです。

  • 関東:425万円
  • 関西:415万円
  • 東海:418万円
  • 中国:417万円
  • 四国:417万円
  • 甲信越・北陸:406万円
  • 九州・沖縄:387万円
  • 北海道・東北:382万円

※2024年3月18日現在の情報

参考:求人ボックス

このように、物価や企業の規模・競合他社などの要素もあり地域によって年収が異なるため、高い年収を求めるのであれば、関東・関西の都市圏で仕事を受注することで少しでも高い収入を期待できます。

さらに、一人親方は従業員としての雇用形態と異なり、受注する仕事の単価や受注件数によって大きく左右されます。

年収300万円の方もいれば、年収1,000万円以上の一人親方など年収の金額の幅が広いため、より高い年収を目指すのであれば高い金額の案件を受注できるように技術の向上や受注件数増加のため営業力を磨くなども欠かせません。

内装工との年収の比較

内装工の正社員の年収の全国平均は、約440万円です。

塗装業で正社員として働く方の年収の全国平均は、約420万円であることから、平均年収は若干内装工の方が高い傾向にありますが、年収の分布で言えばほぼ同程度といえるでしょう。

ただし、床仕上工、ボード張り工、壁装工など内装工事に携わるsy九人が全て内装工であり、それぞれの内装工が専門としている工事は異なります。

その中でも住宅・店舗・ビルなどの建築物の内装の仕上げ材に使われる壁紙の施工を行うクロス職人は、内装工全体の中でも平均年収が高くなる傾向にあります。

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年収を増やすには経験を積みながら、技術力を向上させていくこと意識していくと良いでしょう。
塗装業で独立すると年収1,000万円を超えることも狙える?

塗装業として独立すると、年収1,000万円を超えることも可能です。

会社に勤めている場合と違い、受注した案件の売上から経費を差し引いた金額が自分のものになるため、仕事の仕方によっては高収入も望めます。

ただし、独立すれば無条件で高収入になるわけではなく、自分で営業を行って仕事を得る必要があります。

多くの人に求められる一人親方になるために、独立後も実績を積み重ね、技術を向上させていくことが重要となります。

塗装業一人親方が年収を増やすために

塗装業の一人親方として独立した場合には、関連する資格を取得することで年収を増やせます。

以下で、取得すべき資格についてご紹介します。

他の業者に比べ差別化できる強みがある

塗装業者にも産業用設備の塗装をメインで行っているところ、歴史的建造物の塗装をメインで行っているなど特定のジャンルで意識しておくことが異なります。

環境にやさしい塗料や有害物質が排除された塗料だけで塗装することで、昨今注目されつつあるSDGsへの意識が強い依頼者からの受注数の増加を期待できます。

さらに寒暖差が激しい地域では、気候変動に強伊耐久性のある素材の選択、適切な下地処理、断熱性や湿度を逃すための工夫ができることを伝えることでクライアントから喜ばれる可能性が高まります。

関連する資格を取得する

塗装業で独立し、一人親方として仕事を行っていきたい方は、塗装業に関連する資格を取得することをおすすめします。

専門知識や技術力が認められると、単価の高い仕事を受注しやすくなります。

以下の資格を取得すれば、年収アップにも繋がるため、資格の取得をぜひご検討ください。
  • 塗装技能士
  • 塗装業許可証
  • 足場の組み立て等作業主任者

塗装技能士は、その名の通り、塗装に関する専門知識や技術を認定する技能検定制度の国家資格となっています。

国家資格のため、現場での信頼度も高く、資格を有することで年収アップにも繋がりやすいでしょう。

塗装技能士には、1級・2級・3級の3種類の資格が存在しており、3級は実務経験が無くても受験可能です。

2級を受験するには2年以上の実務経験か、3級の合格が必要です。

1級では実務経験が必須となっており、2級を取得した方は2年、3級を取得した方は4年の実務経験が必要です。

どちらも取得されていない方は、7年以上の実務経験が必要です。

塗装業で建設業許可を得るのも、収入アップを目指す上で重要です。

何故なら、請負金額が500万円以上の塗装工事を行うには、建設業許可が必要となるためです。

規模が大きな現場で塗装を行いたい場合には建設業許可が必須となります。

建設業許可を得るためには、経営経験を5年以上積み「経営業務の管理責任者」になる条件を満たす必要があります。

この他に、「専任技術者」の配置や「財産的要件」、「営業所要件」など、複数の厳しい要件を満たす必要があります。

そのため、建設業許可を得ることで、取引先からの信頼度も向上するでしょう。

 

足場の組み立て等作業主任者も、塗装業において収入の上昇に関係する資格の1つです。

足場の組み立て等作業主任者は、5m以上の高さの足場の組み立てや解体を行う現場で、主任者として作業の従事者の監督・指揮が行えます

この資格を持っていれば、自分で足場を組んで外壁塗装を行うことも可能です。

そのため、取引先に重宝される一人親方になれることでしょう。

 

ここまで紹介してきたように、塗装業として年収を上げるには業務に関連する資格の取得がおすすめです。

一人親方としての独立をお考えの方は、上記の内容を参考にしてください。

塗装業で一人親方として独立するために

ここからは塗装業で一人親方として独立するまでの流れや、修行期間について詳しく解説します。

独立する流れ

塗装業の一人親方として独立する流れは以下の通りです。

  1. 必要資格・許可を取得する
  2. 開業資金を調達する
  3. 開業手続きを行う
  4. 独立前に人脈を作る

塗装職人は、独立にあたって必要となる資格や許可証などはないため、いつでも独立が可能な職種です。

しかし、資格を取得しておくと、専門知識や技術を証明でき、受注数アップに繋がります。

特に塗装技能士は、塗装に関する専門知識や技術が問われる国家資格のため、取得することをおすすめします。

 

資格の取得は独立後でも構いませんが、塗装業の一人親方としてやっていくには、開業資金の調達が欠かせません。

開業するには塗装工事に必要となる道具を全て自己資金で準備する必要があります。

 

開業資金の準備が出来たら、次は開業手続きを行います。

開業手続きを行いたい方は、税務署まで開業届を提出します。

開業届に必要事項を記入して税務署に提出すれば、無事開業完了となります。

 

一人親方として独立する前には、人脈づくりをしっかりと行っておくことも重要です。

独立してからは自分で仕事を受注しなければいけないため、会社に在籍しながら事前に独立後の準備をしておくと良いでしょう。

独立後は自分で仕事を探してくる必要があるため、営業力を身に着けておくためにも人脈づくりに力を入れることをおすすめします。

修行期間はどのくらい?

一人親方として独立するには、自分一人で塗装に関する全ての業務を行えるようにならなければなりません。

全ての業務を一人前に行えるようになるまでには、7〜10年ほどの業務経験が必要と考えられます。

そのため、7〜10年は会社に在籍しながら塗装に関する専門知識やスキルを磨く必要があるでしょう。

早く独立しようと焦るのではなく、正社員として働きながら、ゆっくりと一人親方として独立する準備をしていくことが成功の秘訣です。

塗装業一人親方として独立するメリット

塗装業の一人親方として独立すると、年収や人間関係、仕事を行う時間のコントロールなどが行いやすくなります。

こうした独立した場合のメリットについて、それぞれ詳しく解説しますので参考にしてください。

仕事の単価が高い

塗装業で一人親方として独立すると、会社員の時よりも仕事の単価が高くなるというメリットがあります。

塗装業で独立し、一人親方として仕事をした場合、会社員の場合とは違って、受注した仕事の報酬は自分が全て受け取れます

会社員の場合は基本的に日給・月給制のため、仕事の出来によって徐々に昇給することはあっても、突然給与が数倍になることはありません。

一方、一人親方であれば、会社員時代と同等の仕事を行ったとしても、1つの仕事を独り占めできるため、単価が高くなります。

仕事の単価は技術力や実績にも左右されますが、しっかりと下積みを積んでおけば一般的な正社員よりも年収が高くなりやすいでしょう。

人間関係に縛られない

塗装職人として会社で働く場合、上司や同僚などとコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく必要があります。

しかし、塗装業で一人親方として働く場合、一人で塗装を行うのが基本となるため、会社員時代と比較して人間関係に縛られることが少なくなります

会社の人間関係を煩わしいと考える方にとっては、これは明確なメリットとなるでしょう。

ただし、仕事を受注する際に建築会社に営業をかけたり、受注後に取引先と密なコミュニケーションを取ったりすることは、仕事を行っていく上で必要不可欠です。

一人親方になっても人間関係を完璧に無くすことはできませんが、会社の人間関係に縛られたくないという方には最適な労働環境と言えます。

時間をコントロールしやすい

独立して一人親方として働いた場合には、自分で仕事に関する時間をコントロールしやすくなります。

会社員の場合には就業時間や現場での作業時間などは、会社の方針によって決まるのが基本です。

しかし、独立して一人親方として仕事を行っている場合は、仕事が納期までに間に合えば、そうした制約があまり無い状態で作業が行えます。

そのため、休日や残業の有無なども自分で決めやすい傾向にあり、自分の理想のワークライフバランスを実現しやすいというメリットがあります。

もちろん、取引先の意向や連絡を無視することはできませんが、それでも会社員時代と比較して一人親方は時間の融通が利きやすいでしょう。

塗装業を一人親方として行うデメリット

前述した通り、塗装業を一人親方として営むことには様々なメリットがあります。

しかし、それと同時に毎年確定申告などの手続きが必要になったりローンなどの融資を受けにくくなったりといったデメリットがあります。

精神的な負担も大きくなるため、塗装業で独立することをお考えの方はデメリットについてもよく知っておきましょう。

以下で詳しく解説します。

各種手続きが必要になる(確定申告・保険加入等)

一人親方として独立した場合、確定申告や保険加入などの手続きが必要となります。

特に確定申告は開業したら毎年行う必要があり、その年ごとに売上や経費を計算した上で所得を申告しなければなりません。

確定申告を行わないと、所得税の申告漏れとなってしまい、加算税や延滞税が課されてしまうため、必ず行うこととなります。

 

確定申告を行うには、売上や経費を日頃から記録しておくことが重要です。

そのため、慣れていない方にとってはそうした作業が負担となってしまうデメリットがあります。

しかし、近年では必要な情報を入力すれば、経理を自動的に行なってくれるソフトもあり、自分でも確定申告を行いやすくなっています。

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自分で行うのが難しい方は、費用がかかりますが税理士にお願いすることも可能です。

確定申告以外に、保険加入の手続きも自分で行う必要があります。

会社員の社会保険と違い、自営業者は自分で国民健康保険に加入しなければなりません。

会社員の場合は自動的に給与から保険料が天引きされますが、国民健康保険は自分で支払いを行う必要があります。

そのため、支払いを忘れてしまうリスクがあります。

独立すると、こうした細かな手続きをしっかり行う必要があるため、人によっては足かせに感じる方もいるかもしれません。

一人親方として独立をお考えの方は、事前に確定申告や保険加入などについてよく調べておくと良いでしょう。

ローン・融資を受けにくい傾向にある

一人親方として独立すると、住宅ローンなどの融資が受けにくくなる傾向にあります。

これは会社員と比較して、自営業者の収入が不安定であることが関係しています。

会社員は月給制の方が多く、月々の収入が決まっています。

一方、自営業者は自分で仕事を受注しなければならず、仕事が無ければ収入も減ってしまいます。

ローン審査では月々の返済を安定的に行っていくことが重要視されるため、自営業者はローン審査が通りにくい傾向にあります。

一人親方として独立するとローンなどの融資を新規で受けにくくなるため、ローンを組みたい方は独立前に審査を受けるなどの対策が必要です。

収入が不安定になるため精神的負担がかかる

一人親方は固定給の会社員の場合と比較して収入が不安定になるため、精神的負担が大きくなりがちです。

一人親方は、自分で仕事を受注するため、自分で行った仕事が直接自分の収入になります。

仕事を沢山受注できれば、その分だけ自分の収入が増えますが、仕事が少ない月には収入が大きく下がる可能性があります

収入が少ない月には貯金を切り崩しながら生活しなければならなくなり、精神的に辛くなりがちです。

一人親方として安定的に仕事を続けていくには、不安定になることを見越して貯金を行ったり、営業を行って継続的に仕事を受注したりといった対策が必要となります。

塗装業一人親方の確定申告

塗装業の一人親方として独立される方は、確定申告を行う必要があります。

会社員の場合は会社が年末調整を行ってくれるため、自分で確定申告を行う必要がありませんでした。

しかし、独立して自営業者になると、自分で毎年確定申告を行って所得税を納めなければならなくなります。

確定申告を怠ると、追徴課税などのペナルティが課されてしまい、それでも納税しなかった場合には財産の差し押さえなどのリスクがあります。

ここからは一人親方として仕事を行っていく上で無視できない確定申告について解説します。

確定申告を行う必要がある人

確定申告は、個人事業主の方で年間の事業所得が48万円を超える方は全員行う必要があります

会社員などの給与所得の方は、会社が年末調整を行うため、殆どの方は自分で確定申告を行う必要はありません。

しかし、一人親方の場合は独立して個人事業主として仕事を行っていくことになります。

そのため、所得が48万円を超える場合には必ず確定申告を行わなければなりません。

一人親方として生活できるだけの収入を得ようと考えている方は、もれなく確定申告を行う必要があるでしょう。

確定申告を行わない場合「追徴課税」のペナルティの例

確定申告を行うべき場合にもかかわらず、確定申告を行わず、納付すべき所得税を納めていない場合、追徴課税のペナルティとして無申告加算税が課されます

無申告加算税は納付すべき税額を元に計算され、税額のうち、50万円までは15%、50万円以上は20%をかけた金額が課せられます。

税務署は個人の口座の入出金履歴や取引内容なども把握しているため、所得を隠すことは困難です。

調査に入られるとすぐに無申告であることはバレてしまいます。

そのため、確定申告は必ず行うようにしましょう。

確定申告の期限を過ぎた後でも1ヶ月以内に自分で確定申告を行えば、無申告加算税が免除される可能性が高いです。

確定申告を期限内に行えなかったとしても、放置せずになるべく早く申告を行うよう心がけましょう。

収入証明を提出できない場合のデメリット

確定申告を行わなければならない理由は、納税だけではありません

個人事業主は確定申告を行わなければ、自分の収入がいくらであるかを証明できなくなります。

会社員であれば給与明細書や源泉徴収票などを収入証明として利用することが可能です。

しかし、個人事業主の場合は、自分で所得を申告するため、確定申告を行わなければ収入証明もできなくなります

収入証明ができないと、収入証明の提出が必要な手続きが全て行えなくなります。

例えば、住宅ローンの融資やクレジットカードの申し込み、子どもの保育園の入園などには収入証明が必要なため、これらの手続きが行えなくなってしまいます。

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無申告であることを税務署に指摘されなかったとしても、収入証明が提出できないことは大きなデメリットとなります。

確定申告の必要が生じた場合には、忘れずに申告を行いましょう。

まとめ

この記事では、塗装業で独立して一人親方になりたい方に向けて、年収や独立の流れ、一人親方のメリット・デメリットなどを詳しく解説しました。

一人親方として独立すれば、自分の頑張り次第で年収1,000万円も不可能ではありません

独立の成功には資格の取得や、開業資金の準備など、事前準備が必要不可欠です。

独立後は自分で確定申告を行い、所得税を納める必要がある点にも注意しましょう。

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塗装業の一人親方として独立されたい方は、この記事を参考にしていただければ幸いです。