菊池電業社様は1946年7月に創業され、新築・改修・省エネ工事まで電気に関するお困りごとを解決し、
「常にお客様から必要とされる会社であり続ける」
という企業理念のもと、神奈川県、東京都を中心に電気設備工事・施工設計や通信設備工事・施工設計などの業務をされています。
今回は、菊池電業社の小嶋様と南様に菊池電業社様が実際に施工している現場と既に施工が完了した現場を案内してもらい、電力供給の仕組みや工事現場毎で使用する素材の特徴、仮設の電源など普段は知れないことも教えてもらいました!
今回体験した鈴木について
鈴木
〜電気に興味を持ったきっかけ〜
中学校で建築会社に職業体験をした時に、実際に工事現場の管理をしている方からお話を聞きました。
工程管理や品質管理など全体を管理する仕事をかっこいいと思ったことがきっかけで、自分もそれに似た仕事をしたいと思っていました。
大学に入って電気について幅広く学ぶと同時に、電気を学んだ将来どのような仕事に就くのかが分かりませんでした。
自分で調べていると、現在大学で学んでいる電気工事を専門とし、約70年間事業を展開されている、菊池電業社様にお願いをして見学させていただきました。
今回の体験を通して、電気工事施工管理の仕事で具体的にどういった業務を行なっているのかを沢山学びたいと思っています。
今日一日頑張ります!
1件目:南町田にある新築の事務所
まず最初に訪れたのは、南町田にある新築の事務所です。
こちらの建物は3階建ての鉄骨構造で低圧受電の設備を採用しているそうです。
そのため、送電された電気をそのまま使用できることが特徴です。
職人さんや施工管理をされている方が作業している場所に入ることは初めてだったので、機械を使っている音やトラックが通る音など、作業現場が全て新鮮でした。
鈴木
作業が終了間際ということもあり、壁や天井の中に埋め込まれている配線などを、詳しく見ることはできませんでしたが、実際に事務所となる階層に敷き詰められていたOAフロアや仮設電気設備などを見学させていただきました。
今回、訪問させていただいた現場では、OAフロアの中に施工図を基にして設置した配線を置き、上に同じ大きさのタイルを糊付けしているようです。
実際の床を作成するための土台となるもので、机・椅子など家具類の配置に影響されず配線できること、後から配線の変更が必要になった時も容易に行えたり、配線を床下に収納できるためレイアウトを簡単に変更できることが利点としてあります。
一方で、素材やOAフロアの作りによっては強度が落ちたりつまづいたりするようです。
さらに、工事に必要な電気を引っ張るために、用いられる仮設の電源も見させていただきました!
鈴木
実は、仮設設備は初めから設置する場所が決まっているわけではなく、実際に作業現場に入る職人さんたちが、その時に話し合ってどこに仮設電源を設置するのかを決めているそうです。
工事現場では図面や計画書などで細部まで決まっているイメージでしたが、実際に「仮設設備の位置」は工事が始まってから現場状況によって変更され、施工計画書には載らない細かな判断が現場で行われていること、
『やはり最後は人の判断なんだ。』と機械化やIT化が進んでも、実際の作業は人の手と経験値に依る部分が多く残り、人間の判断が最終的にプロジェクトを支えていると実感しました。
さらに、設置だけでなく、工事後の撤去についても考えて取り組む必要があり、片付けやすい場所に置くことを考えて動くことを心がけているようです。
設備一つといっても、複数のことを考えながら慎重に作業を行うことを心がけている光景を目の当たりにし、工程管理、安全管理を同時で進める大変さ、工事後を考えた片付けのしやすさも考えた仕事の進め方を知れ、具体的な業務についてのイメージを持つことができました。
鈴木
設計図や施工図は機密情報であるため、今回載せることはできませんが、
実際にボロボロになっている施工図を見て、何回も見直して作業してしているのだと感じました。
設計図は、建築士などの設計者が、施主や公的機関などの依頼主からの要望を取り入れて提案する図面のことで、建物の形状、広さ、高さ、最終的な仕上げの状態がわかるようになっています。
イメージとしてはデザインを設計する図面で、詳細な施工を示すようなことはしていないことが多いです。
各階のコンセントやスイッチ、電灯などの場所はそれぞれ別の紙に書かれています。
一方で施工図とは、設計図の中のイメージをどれだけ崩さずに実現させるかを考えて書く図となっています。
設計図は基本知識のある設計士が書いたものとはいえ、見栄えをよくするために多少技術に関する部分を曖昧にして書かれていることが多いそうです。
施工図では設計図の曖昧な部分を明確化し作業を進めていきながら、工事が完了するように必要になることを全て記すそうです。
設計図では別々に書かれていた電気設備を一枚の紙にまとめておられ、寸法や基準線など設計図では記載されていなかった細かな施工方法が書かれていました。
※今回、拝見させていただいた施工図にはカメラの位置、防水処理などの電気設備以外にも関することも記載されていました。
施工図は施工管理に携わる上で、とても大切になる業務とお伝えいただき、自分も沢山あるデータを一つにまとめたり、足りないところはどこだろう?と考えて書き込む細かいところまで気を使う作業が好きということもあり、設計図を作成する仕事にすごく興味を持ちました。
2件目:消防署に設置されている太陽光発電
2件目は高井戸の消防署にある、消防署内の電力を賄うために設置された竣工済みの太陽光発電のパネルを見学しに訪れました。
屋外に設置された太陽光パネルで発電した直流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナーや、発電した電力が消防署内で自家消費できるようにして署外に流れないようにするPRPと呼ばれる機械について説明していただきました。
太陽光発電で得た電気を施設内で使えるようにするためには、多くの電気設備を介する必要があり、設備を綺麗にまとめることで、仮に機器に異常が生じた時の異常箇所を探しやすくなります。
電気工事は電気に関する知識・資格だけでなく、配線や設置場所で起こるかもしれない問題について考え抜くことの大切さを学びました。
天候が悪く、雨が降っている時に水分が機械の中に入り込んで壊れてしまうことを防ぐために、防水の技術や工夫について詳しく教えていただき、
そうした水の侵入による故障を防ぐために、耳と呼ばれる機会が入っているボックスの外側に壁と接続させるボルトを打ち込むための部品をつける方法があることを教わりました。
※ボックスの扉にはゴムパッキンやシールを用いて水が侵入しないようになっていました。(左下の写真)
最後に、プルボックスという電線をまとめて収納するための装置も紹介していただきました!
大量の配線をまとめることでスッキルト整理することができ、こちらも屋外に設置されることが多く、水分が入ってしまうと機器が故障してしまう原因となってしまう恐れがあります。
そのため、この装置はステンレス製となっており、さびにくくなるような工夫がされていました。
また、壁との間にパッキンやシールのようなものを貼って水分が装置の中に入るのを防いでいるそうです。(右下の写真)
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今回見た設備はネジを使って配管を固定しているタイプでした。
ほかにも電線管の材料や規格、接続したい向きなどによって、使われるカップリングが多くあるそうです。(下の写真)
そして、ボックスと電線管をつなぐ際に用いるコネクタと呼ばれる部品を用いて接続していた箇所もありました。これらのような工夫や技術の進歩のおかげで電気に関する事故が減少しているのだと思います。
外の設備をすべて見た後、屋内に入って”分電盤”と呼ばれる署内のすべての電気設備の電力を管理している機器を見させていただきました。
この中には、消防署内の太陽光発電で得た電気を引き込んで、その先に接続している機械で100vと200vを利用できるように調整し、各設備によって異なる使用電力を得られるようにされてありました。
災害や漏電などの緊急時には、ブレーカを落とすことで機械に電気を供給することをやめることもできます。
小嶋様のお話によると、この分電盤内の部品を全て入れ替える工事を行ったそうで、仮設の電源を利用しながら1日かけて作業なさったようです。
精密で触れると感電する恐れもある危険な設備を1日を通して行う集中力の高さ、体力にとても驚きました。
内器の中のブレーカを落として作業する時があるのですが、内器の中がどのようになっているのか初めて見たので、とても印象に残っています。
自動切替開閉器は、災害が起きて停電した時など、常時使っている電源から非常用電源に切り替えてくれるもので、消防署の中の設備では無電圧を感知したタイミングでスイッチが作動して、発電機が作動して非常用電源に切り替わるようです。
設備はスイッチが変わる時に、全体の電力供給が一瞬ストップしてしまうので、パソコンや医療設備など一瞬でも止まることが許されない機器は”UPS”と呼ばれる無停電電源装置で保護する必要があるようです。
3件目:富士通スタジアム川崎周辺の照明塔
最後に、川崎にある富士見球場で照明塔を見させていただきました。
富士見球場内の富士通スタジアム川崎の周りにある2つの照明灯を新しい照明塔を取り替える工事をなさったようです。
まず、照明塔がどのように建造されたのか教えていただきました。
照明塔全体を3〜4個に分け、とび職の方が鉄筋足場を作成し、足場を支えに下から順番に設置していったようです。(画像のイメージ)
そして、キュービクルと呼ばれる発電所から送られてくる高圧電気を施設で利用できる電圧に変換する機器に収納したものを通して利用できる電気を取得するキュービクルによって夜間のスポーツ利用者を明るく照らしていました。
私が普段何気なく利用している電気も、利用する場所や利用目的によって電力が変わり、その電力供給をするための”施設を作る、施設で電力を利用できるようにする人”がいて利用できているおかげです。
自分が何気なく生活していると気がつきにくいですが、陰ながら支えてくださっている方のおかげで生活できていることを強く感じた訪問でした。
また、このように大きな照明灯がどのように電力が供給されているのかをお聞きしました。
照明灯に用いられる電気は地下に埋設された電気・通信ケーブルから供給されていて、電力用マンホール・ハンドボールからつながっていました。
これにより、鉄塔や電線の設置が困難であったりガス管や下水道などの障害物が地下にあって工事が難しい場所でも電気を供給することができるようです。
また、工事を追加でする時や点検時の際にはクレーンや高所作業車などの機材を手配する必要がなくマンホールに入って作業することができ、地上と比べて通行の妨げになることが少なくなるとお話しいただきました。
解体するときも作り上げたときと同じように照明塔を4つに分けてクレーンで釣り降ろす予定だったそうですが、照明が落ちる可能性があり、とても危険であったためすべて塔から外してから解体する必要が生じたそうです。
そのため、菊池電業社の方は、とび職の方に足場を組んでもらい、照明を1つずつ外して地面に降ろしたそうです。
その後、鉄塔を4つに切って解体することで作業を進めることができたそうです。
予定では照明を外さなくても解体できるはずだったとおっしゃっていたので、話を聞いた時はとても臨機応変に対応して作業を進めていたのだと感じました。
即座に対応して動けるのも知識だけじゃなく経験も活かされていてとてもかっこいい職業だと思いました。
実際にそのような仕事に携わった人がイレギュラーに当たったときにどのように考えていたのか、また、解決策について詳しい情報を話してくださったのでとても参考になりました。
また、実際に照明塔で使われた照明と照明塔の基礎の一部が「川崎富士見球技場照明塔モニュメント」という名前のモニュメントとして富士通スタジアム川崎に隣接するかわQホール近くに整備されています。
鈴木
今回は、以上の3つの現場を見学させていただきました。
実際に工事現場で作業している方や電気工事の経験が長いベテランの方からお話を聞いて、電気工事に携わる際のモチベーション維持の仕方や施工図と設計図の詳しい違い、所持している資格の話など、忙しい中でたくさんの知識と経験を語ってくださりとても勉強させていただきました。
自分が持っている電気工事のイメージと違った部分も多くあり、初めて見る単語や施工図などに触れることができてとても貴重な経験をすることができました。
菊池電業社様の皆様、今回は貴重な経験の場を下さり、誠にありがとうございます
今回の研修では、菊池電業社様の社員の皆様が総出で現場に見学に連れて行って下さり、経営陣の皆様も総出でとても温かく迎えて下さりました。
私のような学生一人の為にこれだけ皆様でお時間を割いて頂けたことに心から感謝しております。
菊池電業社様が現場見学や電気工事に携わる上で基礎となることをたくさん教えてくださったおかげで電気工事の世界について詳しく知ることが出来ました。
建設業界は口数少なく背中で語る職人のイメージが強かったですが、実際にお話をさせていただき気さくに話しかけて下さったり、どんな質問に対しても嫌な顔せずに笑顔で対応してくださったことが印象に残っています。
この経験も活かして、自分が将来携わる仕事を決めていきたいと思います。
菊池電業社様、今回も本当にありがとうございました!
菊池電業様でのお仕事に少しでも興味を持って頂けた方は是非こちらからお問い合わせ下さい!
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菊池電業社様本当にありがとうございました!