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第1種電気工事士の合格率|出題傾向の多い科目・少ない科目も紹介

ビルや工場・一般住宅などの電気設備の安全を守るため、法令に電気工事は一定の資格を持っていなければ行うことができないと定められています。

電気工事を行うことができる資格を有する人を電気工事士といい、電気工事士1種では大型の商業施設の工事や高圧の送配電線路における工事に従事できるようになります。

さらに、電気工事士1種は国家資格のひとつであることもあり難易度は低くありません。

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ですが、電気工事士1種の試験の特徴・傾向を理解しておくことで合格率を上げることにつながります。

第1種電気工事士の合格率

電気工事士は国家資格の一つで、新しい建物や施設に電気設備を設置する際のスイッチやコンセント照明器具の取り付けなどを行う専門職です。

同じ電気工事に関する資格には、電気主任技術者の資格が存在しますが電気主任技術者は取得に3年以上必要とも言われることもある難易度が高い資格です。

電気関連の国家資格で比較的難易度が低いですが、需要が高いため将来性の高い職種の1つです。

実際、電気工事士の合格率は1次で40%前後、技能で60%前後です。

第1種電気工事士の1次の合格率 第1種電気工事士の2次の合格率
令和2年度 52.0% 64.1%
令和元年 54.1% 64.7%
平成30年度 40.4% 62.7%
平成29年度 47.0% 63.5%
平成28年度 50.3% 61.6%
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近年では学科の合格率が50%を超えていることから分かるように、きちんと対策を積み勉強をすることで合格を掴みやすいと言えるでしょう。

電気工事士は資格そのものを持っていないと業務独占資格に該当し、電気工事士の上位資格に当たる電気工事士1種を取得すれば、職場で頼られる人材となり、年収600万円以上のより高い年収が期待できます。

もちろん技術の高さも証明でき、人口減少社会においても最も将来性のある資格の一つとしておすすめです。

転職やキャリアアップに向けて取得するのであれば電気工事士1種を狙いましょう。

電気工事士の試験には筆記試験と技能試験がある

先述紹介したように、電気工事士の試験には筆記試験と技能試験の2段階で行われます。

筆記試験は全問マークシート方式で4択から正しい選択肢を選び、全50問を140分の制限時間内で解きます。

電気に関する基礎理論や配線理論及び配線設計、電気応用や配線図、発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的構造など幅広く出題されるため、各分野で合格基準を満たす勉強を意識すると良いでしょう。

過去問を繰り返し解くことで出題数が多い科目や出題数が少ない科目の傾向を掴むことができるため、ある程度基礎知識をつけた後は過去問を繰り返し解くことがポイントです。
【出題数が多い科目の上位3】
  1. 「電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用材料・工具、受電設備」
  2. 「高電圧受電設備の結線図」
  3. 「自家用電気工作物の検査方法」

第1種電気工事士の学科試験に合格すると、技能試験を受験します。

学科試験の合格点は60点であるため、50問のうち30問を取れれば合格できます。第1種電気工事士学科試験の中でも計算問題は比較的難易度が低いため、計算問題でミスをしないよう対策しましょう。

受験者がグンと減る技能試験

第1種電気工事士の技能試験は、学科試験に合格しなければ受験できないため受験者数が減少し、技能試験の受験者は例年2万人前後になっています。

合格者数は1万2千人〜1万5千人前後となっており、技能試験の合格率は60〜70%です。

全体を通してみると、申込者数合計は5万人前後、最終的な合格者数は、1万2千人〜1万5千人で、合格率は約30%前後にまで下がり、電気に関する資格の第三種電気主任技術者では合格率は10%前後です。

このように、国家資格としてみると、電気工事士の資格は1種でも、難易度はそれほど高いものではなく比較的合格しやすいといえるでしょう。

第1種電気工事士の試験に合格するためには?

電気工事士は国家資格の中で比較的難易度が低く、電気主任技術者よりもはるかに難易度が高いとされています。

第1種電気工事士に限らず、試験に合格するためには傾向を掴み事前準備を進めることが重要です。

はじめて受験する方は出題傾向や絶対に落としたくない分野などを理解し、対策を進めていきましょう。

独学でも対応可能な第1種電気工事士

公認会計士や税理士といった国家資格を取得する場合は資格取得のために専門学校に通わなければ合格が厳しいのでは?と思われるかもしれませんが、独学でも合格を狙えます。

先ほど紹介させていただきましたが、第1種電気工事士の試験では出題されやすい科目が存在しきちんと理解することで高い合格率を期待できます。

【出題数が多い科目の上位3】
  1. 「電気機器、蓄電池、配線器具、電気工事用材料・工具、受電設備」
  2. 「高電圧受電設備の結線図」
  3. 「自家用電気工作物の検査方法」
出題傾向科目 H28 H29 H30 平均出題数
電気基礎理論 4 4 5 4.3
配電理論、配線設計 6 5 4 5
電気応用 2 0 4 2
電気機器、蓄電池

配線器具

電気工事用材料・工具

受電設備

12 10 10 10.7
電位工事の施工方法 4 8 5 5.7
自家用電気工作物の検査方法 8 7 8 7.7
発電設備・送電設備

変電設備

1 2 1 1.3
保安に関する法令 3 2 3 2.7
鑑別 0 2 0 0.7
高電圧受電設備の結線図 5 10 10 8.3
電動機の制御回路 5 0 0 1.7

電気機器や蓄電池、配線器具、電気工事用材料・工具、受電設備はほとんど毎年出題されますが、鑑別は出題される傾向が低いため注力すべき内容を見極め取り組むことが重要です。

さらに、技能試験においては、電気技術者試験センターの公式サイトに候補問題が毎年10問掲載されます。

実技試験は提示された問題のうちの1問が出題されることが決まっています。

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前もって練習をすることができるため、学科試験に合格した後は技能に集中して勉強に取り組むようにしましょう。

何をしたらいいのかわからない方や、スケジュールを組むのが難しいといった方は、通信講座をペースメーカーにして勉強すると上手くいくでしょう。

受験資格をクリアしていることが重要

電気工事士1種の資格は電気工事士資格2種の上位資格ですが、第2種電気工事士の資格を所有していないと受験できないことはありません。

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学歴・年齢・性別問わず誰でも受験することができます。

電気工事士の2次試験である技能試験に合格した後でも、第1種電気工事士の資格免状を交付されるには3〜5年の実務経験を積む必要があるため、試験に合格したからと言ってもすぐに資格が有効にならない場合があることに注意が必要です。

第2種電気工事士の資格を所有していない方でも受験することができますが、基礎知識を固めながら勉強を進めていくことで、段階的に資格を取得できるので、第2種電気工事士の試験勉強も行うことがおすすめです。

技能試験対策も可能な通信講座の検討も

電気工事士の受験を決めたらテキストや過去問を中心的に解いて、慣れていこう!と考えるかもしれませんが、効率的な勉強方法ではない可能性があります。

電気工事士の試験にはコツがあり、選択問題・計算問題で出題されるカテゴリが決まっています。

技能試験では候補問題への対策だけでなく、欠陥内容を把握することが欠かせません。

第1種電気工事士の合格のため、独学や通信講座での試験対策を行う方が多くなっていますが、時間に制限がある方だと通信講座を検討した方が良いでしょう。

自分が不安な部分や分かりにくかった部分の動画を止めて再生することができ、ピンポイントで疑問を解消できます。

さらに、WEBトレーニングでCBT方式の試験対策や、メール・対面添削も行なってもらえるためスキマ時間でも試験を

通信講座では過去の出題傾向から電気工事士へ最短で合格できるように教材やサービスが提供されており、勉強をスタートする段階で必要なものが揃っています。

後から追加で教材を用意する必要がないこと、質問回答など独学では理解しにくい内容の理解も助けてもらえます。

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理解度に不安を感じている方や、時間がない方の場合は厳選されたテキストが揃っていてサポートが充実している通信講座も検討してみてはいかがでしょうか。

電気工事士1種になるとできること

国家資格である電気工事士1種を取得すると、できるようになることが増え、第2種電気工事士に比べできることが格段に増えます。

さらに業務独占資格によって、様々な建物の配線や電気設備などの設置が可能となります。

自宅でのDIYの幅が広がっていき、壁や天井内に配線を通すなどしてコンセントに電気が通っていない部分に通すこともできるようになります。

実用性が高く、実務に直結する資格であることから、電気関連の仕事をしている方ならどんな方にも役立つ資格であるといえるでしょう。

電気工事士1種の仕事内容

次に電気工事士1種の具体的な仕事内容について見てみましょう。

  • 5G通信設備の電源設備設置
  • キュービクルの製造、検査
  • 配電盤や変圧器の製造、検査
  • 発電・変電所などでの新設設備の立会いや設置、検査
  • オフィスの空調や照明設備の点検や改修工事

これらの仕事は、特定の職場に限定されているわけではありません。

建設現場のほか、発電所、通信設備など、様々な現場で求められている必要性の高い業務です。

電気工事士1種は、業務独占資格であり、インフラに関連するような重要な業務を任せられることから、今後も高い需要が見込まれる資格です。

電気工事士1種は業務独占資格

電気工事士1種では、最大電力500kW未満の電気工事を行うことができます。

例えば、工場、マンション、ビルなどの様々な建物の配線や電気設備の設置が可能です。

電気工事士1種の資格がないと、住宅内の配線の追加や新規での電気設備の設置などができないようになっており、業務独占資格として知られています。

需要の高い資格で手当も充実している!

電気工事関連の企業に入社すると、電気工事士の資格は必須と言っても過言ではないほど必要とされます。

特に難易度の高い国家資格である電気工事士1種を取得していると、資格手当を付与する企業が多いです。

もちろん、業務独占資格であることから、給与面でもメリットの多い仕事となっています。

電気工事関連の業務に就くと、給与水準は、未経験から入社した場合は、月20万円ほどから始まって、経験を積んでいけば、技術力や年数に応じて、30~50万円へと月収が上がり、確実に昇給することが見込まれるでしょう。

電気工事士1種を取得するメリット

第1種電気工事士を取得するメリット

電気工事の専門性と安全性を確保するために大切なステップで、電気工事士の資格をもっていることで技術的なスキル・実践的なスキルの証明になります。

最近では、電気技術の発展に伴い電気関連の工事が増えています。

そのため、今後も電気工事士を必要とする電気工事が増えていくと予想されています。

将来性のある資格電気工事士1種

電気工事士1種の資格は、将来性の高い資格です。

しかも近い将来、電気工事に関する人材不足が懸念されており経済産業省も警告を発しています。

その理由は、資格を有する高齢の有資格者が次々と引退し、電気工事士が急激に減少することがわかっているからです。

経済産業省の発表では、2045年になると、約2万1千人の電気工事士有資格者が不足するという予想をしています。

今からしっかりと勉強して電気工事士1種の資格を取得しておくと、人材不足の中にあって、社会から常に必要とされる人材として重宝されるに違いありません。

幅広い種類の電気工事の仕事が可能

電気工事士1種の仕事は、一般用電気工作物に加えて、最大500キロワット未満の自家用電気工作物に関しての工事が可能となり、業務独占資格です。

幅広い種類の電気工事に携われることから、戸建住宅に限らず、ビルやマンションなどの大型建物などでの仕事も可能で、不況にも大変強い資格だといえるでしょう。

電気工事士1種の主な電気工事の現場は次の通りです。

  • 戸建て住宅
  • 小規模な店舗や事業所
  • 工場
  • ビル
  • マンション
  • 商業施設
  • 公共施設

これらを確認すると、電気工事士1種の資格は、2種のような制限がないため、小規模な住宅、店舗、事務所などに限らず、活躍できる現場が大きく広がることがよくわかります。

ビルや工場・病院など大規模施設の電気工事に携われるほかに、高圧の送配電線路における電気工事にも従事できます。

社内評価が高くなり収入アップが見込まれる

電気工事士1種を取得すれば、3年間の実務経験があるということから、社内でも間違いなく「電気工事のスペシャリスト」として認められます。

職場ではリーダーにもなれますし、「電気工事士」として、会社でも頼れる人材となるでしょう。

もちろん、現場を経験し高い技術を持っていれば、収入もさらにアップします。

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、電気工事士の平均年収は男性でおよそ462万円、女性は男性よりもやや低めとされています。

あくまで、電気工事士の資格を所有している人の平均値であり、勤務先の企業や仕事内容によって変動します。

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キャリアを積み、経験・スキルを所有している人であれば、平均年収よりも高い金額になると思って良いでしょう。

転職にも有利

近い将来、団塊の世代が次々と引退し、退職していきます。

経済産業省が興行した「電気保安人材の将来的な確保に向けた検討について」からわかるように、電気工事士がこれからの将来的に人手不足になることを示しています。

新規で電気工事士1種の資格を取得すれば、若い年齢であればあるほど、転職に有利な状態になっていくでしょう。

1種よりも2種・3種の人材不足が深刻視され、海外人材受け入れの可能性や資格制度・待遇面からさらに検討されつつあります。

企業はより人材確保に動き給与や資格手当などの待遇面でより良い条件を提示している傾向にあります。

政府も真摯に課題に取り組んでいるため、現在よりも良い待遇での勤務が期待できます。

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特に電気工事士1種は3年間の現場での実務経験も必要となり、転職においては待遇面でも他の応募者とは異なるより有利な条件が提示されると予想できます。

参考:経済産業省「電気保安人材の将来的な確保に向けた検討について」

電気工事士1種と2種の違い

最後に電気工事士1種と2種の違いについて押さえておきましょう。どちらも電気工事の仕事に必要な資格ですが難易度は1種のほうが高くその分、企業からの需要も高いです。

しかし、電気工事士2種が必ずしも駄目だ、1種よりも劣る、といった意味ではありません。

能力や必要に応じて、電気工事士1種と2種のどちらを受験すべきか、しっかりと考えたうえで受験するようにしてください。

電気工事士1種と2種は仕事内容が異なる

電気工事をするために国が認めた資格が電気工事士の資格です。

電気工事は、小規模なものから大規模なものまであることから、安全に工事ができるように難易度やできる工事の種類に応じて1種と2種に分けられています。

第1種電気工事士の業務範囲 第2種の範囲の業務と最大電力500キロワット未満の工場やビルなどの電気工事
第2種電気工事士の業務範囲 一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の電気工事

1種は、2種と比べると扱える電力が大きくなります。

そのため、一般住宅よりも規模の大きな工場やビルなどの電気工事を請け負うことができ、業務の幅も大きく広がります。

免許更新時に有料講習もありますので、第1種は資格取得後も資格を維持するための努力が必要となります。

電気工事士1種と2種は試験範囲に違いがある

1種と2種では、マークシートの筆記と実技の2種類の試験を受ける必要があります。

第1種電気工事士の試験は第2種電気工事士の出題範囲と重なる場合もあるため、電気工事士2種の試験を経験している方だと第1種の試験にも通過しやすいでしょう。

勉強法は共通しており、2種の受験を経験していると、1種も同じような勉強法でしっかりと学習すれば、合格もそれほど難しいものではないでしょう。

しかし、1種は2種よりも試験範囲が広くなっています。その理由は、取り扱う電力に応じた問題が出題されるからです。

1種が難しいと言われる理由も、試験範囲が広範囲となるだけではなく、その分だけ新しい知識が必要とされるからです。

勉強時間に大きな違いがある

電気工事士2種の筆記試験に合格するための勉強時間の目安は50時間以上だと言われていますが、第1種電気工事士では、50〜80時間もの勉強時間が必要になるだろうとされています。

対策が必要になる科目が多くなることや第2種電気工事士の試験内容に比べ専門的な内容が問われるため、多くの勉強時間が必要だとされます。

1日2時間勉強した場合でも80時間を勉強するには、3ヶ月弱ほど必要です。

技能試験対策の想定勉強時間は候補問題が出題されるため、候補問題が含まれる科目を中心的に対策していきながら不安がある部分の対策を行うと良いでしょう。

実際、技能試験対策筆記試験終了後から対策を行っても十分に間に合います。

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まずは筆記試験の合格を目指すことを目標に頑張ってみてください。

得点は6割以上を目指すこと

電気工事士試験の合格基準点は、6割以上です。

1種、2種ともに6割以上つまり60点以上を取ることができれば合格です。

試験はマークシート形式で行われるため、わからない場合でもマークシートを塗りつぶせば運良く点数がもらえることがあります。

ただし、技能試験はは運任せでの得点が不可能なため予め練習を繰り返しておく必要があります。

試験問題はある程度予想できますので、技能試験で不合格にならないように十分に心して受験するようにしてください。

まとめ

本記事は第1種電気工事士の合格率や合格するためのコツを紹介してきました。

第1種電気工事士の合格率は学科で50%前後、技能で60%前後で国家資格の中では比較的難易度が低い試験です。

過去の試験から出題されやすい箇所・あまり出題されない科目があり、頻繁に出題される科目は電気機器に関する科目、高電圧受電設備の結線図、自家用電気工作物などに注力すると良いでしょう。

一方、鑑別や発電設備に関する科目の出題頻度が低いため、科目の優先度を見極め取り組むことが重要です。

独学での勉強でも合格を狙え、3〜5ヶ月前から取り組むことで合格へ近づけます。

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今後の需要も高まり、良い待遇を受けることも期待できるため準備を進め第1種電気工事士として活躍できるよう願っています。