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施工管理の派遣会社の仕事内容は?メリット・デメリットも徹底解説!

派遣社員では条件外での転勤がないことや、パートタイムとして働くよりも比較的時給が高いことから、自由に働きつつプライベートを充実させたい方が多く利用している傾向にあります。

上記のことから現在は正社員として働いているけど派遣社員として別業界で働こうかな?と検討している人もいるのではないでしょうか。

施工管理はサービス残業や休日出勤が多い中、派遣社員として働くことで柔軟な働き方を実現することも可能です。

今回は、建設派遣とはどのような会社で、建設派遣会社に就職するメリットとデメリットについて解説していきます。

施工管理技士とは?

まず最初に施工管理技士とは、建設現場における現場監督の役割を担います。建設現場では安全管理、工程管理、原価管理、品質管理と行った様々な側面から工事を管理していく仕事です。

建設現場での仕事というと、職人や大工のような現場仕事のイメージがありますが、施工管理の仕事は主に事務作業や現場監督、資材会社や設計会社などとの折衝など、デスクワークや調整が中心になります。

施工管理技士と一口に言っても、建設、土木、管工事、電気工事を始め、工種は多岐に渡っており、国家資格が7種類存在しています。

それぞれの工事で大型の受注をし、主任技術者や監理技術者となるには資格の取得も必要になります。

一方で資格を保有していない場合でも、小規模の工事の施工管理が出来たり、責任者ではないものの、現場で施工管理の一部の業務を担うことが出来ます。

また、昨今では、1次と2次に分かれる資格試験の1次に合格することによって、技士補と呼ばれるアシスタント業務を行える資格が国家資格として設けられており、国としても施工管理が行える人材を増やしていく為の様々なアプローチを行っています。

施工管理の派遣会社での仕事内容

施工管理技士としてのキャリアのオプションはゼネコンや工種特化型の施工管理を行うサブコン、地域特化型の施工管理会社など様々なオプションがあります。

このような会社に派遣社員として施工管理やCADオペレーターといった専門職の派遣を行っているのが派遣会社です。

建設派遣会社の仕組み

派遣会社では、直雇用の建設会社に就職する形態とは異なり、まずは派遣会社に正社員として雇用され、その後派遣会社のクライアント先の建設会社に派遣社員として派遣されます。

従って一つの現場で常に自社の上司と一緒に勤務する形ではなく、案件ごとに派遣される会社が異なる為、常に新しい環境で仕事に取り組んでいきます。

後ほど詳細を説明しますが、派遣会社が雇用主になっていることが重要なポイントで、派遣先の所長や上司は雇用主ではなく、指揮命令系統はあくまで派遣会社にあります。

建設派遣会社の社員だからといって、行う仕事内容が一般的な施工管理と異なることはそれほどアリません。ここからは施工管理の派遣会社に入社した場合の業務内容についてお話していきます。

ここからは施工管理が行う四大管理業務についてや、CADオペレーターが行う業務の内容についてご紹介していきます。

施工管理の四大管理①:工程管理

工程管理とは、建設プロジェクトの進行スケジュールを計画し、そのスケジュール通りに作業が進行するよう管理する業務です

工程管理の主な業務は、プロジェクトの進行スケジュールを計画し、そのスケジュール通りに作業が実施されているかを管理することです。

また、工程管理では、現場の状況や天候、材料の供給状況など、さまざまな変動要因に柔軟に対応する能力も求められます。予期せぬトラブルや遅延が発生した場合に迅速に対応策を立て、プロジェクトの遅延を最小限に抑える役割を担います。

施工管理の四大管理②:品質管理

品質管理は、建築物や構造物が設計通り、そして関連する法規や基準に準拠して施工されているかを管理する業務です。

具体的には、使用する材料の適切な選定、施工方法の確認、そして完成後の検査などが含まれます。これらのプロセスを通じて、建設物が長期間にわたり安全に利用できることを保証します。

品質管理の重要性は、不具合や欠陥が発生した場合のリスクを考えれば明らかです。欠陥がある建築物は、使用者の安全を脅かすだけでなく、後からの修復コストや信頼の喪失という形で大きな損失をもたらす可能性があります。

そのため、品質管理はプロジェクトの初期段階から最終段階まで継続的に行われるべきです。技術者は、常に最新の基準や技術を取り入れながら、品質を確保するための努力を続ける必要があります。

施工管理の四大管理③:安全管理

安全管理は、建設現場における作業者や関係者の安全を確保し、事故や災害を防ぐための業務です。建設業界は、高所作業や重機の使用など、多くのリスクを伴う作業が日常的に行われるため、安全管理の重要性は非常に高いです。

具体的には、作業前の安全確認、適切な保護具の使用指導、現場の安全対策の実施、そして定期的な安全教育や訓練が含まれます。これらの取り組みを通じて、作業者自身が安全意識を持ち、予期せぬ事故を未然に防ぐことが期待されます。

安全管理の取り組みは、単に事故を防ぐだけでなく、作業者の健康や生命を守るためのものです。事故が発生すれば、人的な損失はもちろん、プロジェクトの遅延や追加コスト、さらには企業の評価低下といった影響も考えられます。

品質管理と同様に、安全管理もプロジェクトの初期段階から最終段階まで継続的に行われるべきです。技術者や作業者は、最新の安全基準や技術を取り入れ、日々の作業を安全に進めるための意識を持つことが求められます。

施工管理の四大管理④:原価管理

原価管理では、建設プロジェクトを受注した案件の不採算化を防ぐために、プロジェクトの予算策定、コストの監視、そして経費の最適化を行います。建設業界では、資材の価格変動や労働コストの変化など、多くの変動要因が存在するため、原価管理の役割は非常に重要です。

具体的な原価管理の業務には、初期の予算策定、進行中のプロジェクトのコスト監視、そして後期の経費の再評価や調整が含まれます。これにより、プロジェクトが予算内で完了することを目指し、無駄な経費の発生を防ぐことができます。

原価管理の重要性は、コストオーバーや予算超過が発生した場合の経済的なリスクを考えれば明らかです。適切な原価管理が行われないと、プロジェクトの利益率が低下し、企業の経済的な健全性に影響を及ぼす可能性があります。

安全管理や品質管理と同様に、原価管理もプロジェクトの初期段階から最終段階まで継続的に行われるべきです。技術者やプロジェクトマネージャーは、最新の市場情報や技術を取り入れながら、経済的な観点からの最適な判断を下す能力が求められます。

建設派遣における禁止業務

建設業界における派遣業務は、特定の業務に制限がかけられています。具体的には、労働派遣法4条に基づき、建設業の派遣において、現場での直接的な作業やその準備に関する業務は禁止されています。これには、資材の運搬や組み立て業務も含まれます。

さらに、現場入口のゲートの開閉や車両の誘導などの業務は、警備業法に基づき禁止されています。これらの禁止業務を行った結果、怪我をした場合、労災の適用対象外となるリスクもあります。

結果として、派遣社員が担当するのは、基本的に施工管理の業務のみとなります。

建設業界と聞くと、多くの人は現場での力仕事をイメージするかもしれませんが、実際の施工管理の業務はそのイメージとは異なります。施工管理の主な業務は、書類作成、現場の巡視、施工状況の撮影などの事務的な作業が中心となります。このような事務作業が多いという特性は、一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、施工管理の仕事の実態として理解しておくことが重要です。

施工管理以外にもCADオペレーターとしてのキャリアも

建設派遣会社において、施工管理だけがキャリアの選択肢ではありません。施工の前段階には、建物や構造物の設計の図面を作成する業務が存在します。この業務は、CADオペレーターが役割を担うことが多く、設計図をもとにCADソフトを使用して、詳細な図面やデザインを作成する仕事となります。

CADオペレーターは、設計のサポート業務として、建築物の形状や構造をデジタル上で再現し、変更や修正を容易に行えるようにする役割を果たします。この仕事を行うためには、CADの操作技術はもちろん、建築法や建築学などの専門的な知識が求められます。これらの知識を身につけることで、より高度な設計サポートが可能となり、専門性を発揮してキャリアを築いていくことができます。

建設派遣会社では、施工管理だけでなく、CADオペレーターとしてのポジションも豊富に用意されています。これにより、自身の興味やスキルに合わせて、様々なキャリアパスを選択することが可能です。施工管理の経験を活かしつつ、新しい技術や知識を学びたい方にとって、CADオペレーターとしてのキャリアは魅力的な選択肢となるでしょう。

施工管理で派遣会社を選ぶメリット

残業が少ない

施工管理の派遣会社を選ぶ際の大きなメリットの一つが「残業が少ない」という点です。これは、派遣会社が派遣先の建設会社に対して、残業代を含めてきっちりと請求する契約になっているためです。このため、無報酬のサービス残業が発生しにくい環境が形成されています。

また、現場としても派遣社員に多くの残業をさせると、それに伴うコストが増加するため、積極的に残業時間を減らすような調整が行われることが一般的です。

さらに、大手の派遣会社では、採用力の強化や離職率の低減を目指して、残業時間の削減を人事部の目標として掲げています。特に上場している派遣会社の場合、残業時間や離職率は株主に対しても報告されるため、経営層も働きやすい環境作りを重要な課題として位置づけています。

このように、施工管理の派遣会社を選ぶことで、働く側のライフワークバランスを保ちやすい環境が提供されるのです。求職者にとって、健康的な働き方を実現するための良い選択肢となるでしょう。

有給が取りやすい

派遣社員も正規の労働者として派遣元に雇用されているため、労働基準法に基づき、一定の雇用契約期間が経過すれば有休の取得が可能です。労働基準法は、労働者の権利を守るための最低基準を定めており、これに違反すると罰則が科せられる可能性があります。

このため、派遣会社と派遣先の間で、有給の日数や取得条件などに関して契約が交わされていることが一般的です。特に、上場している派遣会社では、株主向けの決算報告資料で有給取得率を公開していることもあり、これはワークライフバランスの改善や働きやすい環境作りの一環として進められています。

未経験からでも挑戦しやすく、教育が受けやすい

施工管理の業界において、未経験からの挑戦は一般の建設会社では難しいとされています。特に、20代であれば未経験でも採用のチャンスがあるものの、30代以降は企業によってはハードルが上がることが一般的です。さらに、40代を超えると実務経験がない場合、採用が厳しくなるケースが増えてきます。

しかし、派遣会社の場合、このような年齢や経験のハードルが低くなることが多いです。なぜなら、派遣会社は未経験者を受け入れ、彼らの教育を通じて派遣先への派遣単価を上げるというビジネスモデルを持っているからです。このため、社員教育への投資が積極的に行われており、未経験者でもしっかりとした研修を受けることができます。

さらに、建設派遣会社の利益率は20~30%程度と、他の業態に比べて高いため、教育や研修への再投資が行いやすい環境が整っています。このような背景から、派遣会社は競争力を維持・向上させるために、未経験者の採用と教育に力を入れています。

結果として、未経験の方でも、派遣会社を通じて施工管理の業界に挑戦する道が広がっています。年齢や経験に縛られず、新しいキャリアを築きたい方にとって、派遣会社は大きなチャンスとなるでしょう。

働く場所の融通が効きやすい

派遣会社を通じて施工管理の仕事を選ぶ際の大きな魅力の一つが、働く場所の選択肢の豊富さです。特に大手の派遣会社は、全国各地での案件を持っており、多くの場合、現地採用を行っています。これにより、希望するエリアでの仕事を選びやすい傾向にあります。

もちろん、エリアごとの人員状況や案件の内容によっては希望通りの現場がすぐに見つからない場合もありますが、転勤の可否や勤務地の選択に関しては、比較的融通が効く傾向にあります。

さらに、技術力や経験を積むことで、派遣会社との交渉力が強まることもあります。経験豊富な技術者は、自身のスキルや知識を活かして、より希望に近い条件での仕事を選ぶことができるようになります。

このように、派遣会社を通じての施工管理の仕事は、働く場所の選択においても大きな自由度を持っています。これは、ライフスタイルや家族の事情、キャリアプランに合わせて、最適な勤務地を選ぶことができるという大きなメリットとなるでしょう。

会社のしがらみがあまりない

施工管理の派遣を選ぶ際の魅力の一つが、会社のしがらみが少ないという点です。建設派遣の場合、現場での作業を行う際、一緒に働く人たちの多くは自分の会社の上司や同僚ではありません。これにより、その現場での付き合いが一時的であることが多く、長期的な人間関係の維持やしがらみを気にする必要が薄れます。

もし、何らかの理由で現場の雰囲気や人間関係が合わないと感じた場合、派遣会社と相談して現場を変更する交渉も可能です。もちろん、派遣会社との信頼関係も非常に大切であり、すべての要望が通るわけではありませんが、一般的な建設会社と比較すると、より柔軟に対応してもらえることが期待できます。

複数の現場を経験出来る

派遣会社では、さまざまなプロジェクトや会社との連携が期待されるため、その都度異なる現場や環境での作業が可能となります。

このような働き方は、幅広い経験を積むことができる大きなチャンスとなります。異なる現場や会社ごとに、それぞれの特色や取り組み方、文化があり、これを経験することで、自身のスキルや視野を広げることができます。

また、プロジェクトごとに働く場所や環境が変わるため、日々の仕事に新鮮さや刺激を感じることができます。同じ場所や環境でのルーチンワークに飽きやすい方や、多様な経験を通じて自身を成長させたい方にとって、このような働き方は非常に魅力的でしょう。

大手企業への転職のチャンスを得られる

施工管理の派遣を通じての勤務は、大手企業への転職の大きな足がかりとなることがあります。派遣会社を通じての仕事では、大手ゼネコンとの連携が頻繁に行われるため、その中での実力が認められると、ゼネコンから直接の採用のオファーを受けることも十分に考えられます。

このような機会は、自身のキャリアアップを目指す上で非常に価値のあるものとなります。特に、大手ゼネコンはその名前やブランド力、そして安定した経営基盤を持っているため、そこでの勤務は多くの施工管理技術者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

さらに、派遣会社を通じて複数の現場やプロジェクトでの経験を積むことで、転職市場における自身の価値も高まります。多様な経験や知識は、新しい職場での活躍のための大きな武器となり、より良い条件や待遇での転職を実現するための後押しとなるでしょう。

施工管理で派遣会社を選ぶデメリット

断片的な仕事に終始してしまうことが多い

派遣社員は、多くの場合、建設会社の監理技術者や主任技術者の補佐的な役割を担うことが多くなります。これは、派遣という形態が、特定の業務やタスクを外注する形になるためです。

このような状況下では、個別のタスクや業務に特化してスキルを磨くことは可能ですが、プロジェクト全体を統括するような経験や、全体を俯瞰しての業務遂行は難しくなることが考えられます。これにより、局所的なスキルは向上するものの、全体的なプロジェクト管理の経験や視野が狭くなるリスクが生じることがあります。

もちろん、一方でスキルと経験が豊富な派遣社員の場合は全体の統括をに担う場合もあります。派遣という働き方を選ぶ際には、このような点を十分に考慮し、自身のキャリアプランや目指すスキルセットとの整合性を確認することが重要です。

仕事が安定しない

施工管理の派遣を選ぶ際の懸念点として、「仕事の安定性」が挙げられます。派遣社員は、特定のプロジェクトやタスクが終了すると、次の仕事が即座に用意されていない場合、待機状態となることがあります。

この待機期間中は、新しい仕事の割り当てを待つこととなり、この期間は収入が途絶えるリスクも考えられます。特に、建設業界はプロジェクトベースでの仕事が多いため、一つのプロジェクトが終了した後の継続的な仕事の流れが保証されるわけではありません。

このような状況は、経済的な安定を求める方や、継続的な仕事を希望する方にとっては不安要素となるでしょう。派遣という働き方を選ぶ際には、このようなリスクを十分に理解し、自身のライフスタイルや経済的な状況との整合性を確認することが重要です。

屋外での業務が多い

派遣に限らず、施工管理の性質上、現場での監督や確認作業が中心となるため、屋外での作業が主となります。

このため、季節や天候による影響を受けやすく、夏は高温下での作業となり、熱中症などのリスクが高まります。一方、冬は低温となり、寒さ対策が必要となることが多いです。これに加え、雨天時の作業も避けられない場合があり、体調管理や適切な装備が求められます。

体が弱い方や、過酷な環境での作業を避けたい方にとっては、このような業務内容は厳しい面があるかもしれません。施工管理の派遣を選ぶ際には、自身の体調や健康状態を考慮し、業務内容との整合性を確認することが大切です。

まとめ

本記事を通じて、建設派遣会社での施工管理やCADオペレーターとしての仕事内容、そして派遣会社を選ぶ際のメリットやデメリットについて詳しく説明してきました。

多くの人が考える「建設会社での施工管理」というキャリアパスだけでなく、建設派遣会社という選択肢を通じて、実は一般の建設会社よりも待遇が良い場合や、働きやすい環境が提供されることもあるのです。

「建設業界」と一言で言っても、実際の工事の内容や、入社する会社の業態、そしてその会社の文化や方針によって、業務の内容や働き方は大きく変わることがあります。このことを理解し、自分のキャリアや働き方を選ぶ際の参考にしていただければと思います。